中国公安に連行され、拘禁中だった元サッカー韓国代表MFソン・ジュンホ(31)の選手登録が許可された。
ソン・ジュンホは4月22日、韓国サッカー協会(KFA)統合電算システムにおいて、公式にK5リーグ(アマチュア、5部相当)所属のコニュンFCの選手として登録された。
KFAの選手登録規定によると、禁固以上の刑を受けて執行中、もしくは執行猶予期間にある人は、専門選手または同好人選手としても登録できない。
また、サッカー関連の不正で刑を受けた場合は、執行終了後5年が経過しなければ登録が不可能だ。
ソン・ジュンホが韓国国内での選手復帰を検討すると、KFAも登録審査に着手した。
KFA関係者は「数日間の検討の末、ひとまず“欠格事由がない”と判断した。ただ、協会としては“欠格事由がない”と判断したことについて、どのような過程で行われ、受け入れることにしたのかに対する経緯は明らかにしないことで決めた」と伝えた。
ソン・ジュンホは中国スーパーリーグの山東泰山に所属していた昨年5月12日、上海虹橋国際空から出国し、家族で韓国に帰国しようとした際に連行された。
その後、約10カ月間の調査の末、今年3月に釈放されて同月25日に韓国に戻った。昨年5月12日の拘束から、実に318日が経過しての釈放だった。
確認された容疑は「非国家工作員収賄罪」だ。これは政府機関ではない企業、またはそのほかの単位に所属した人が財産を違法に授受した場合などに適用される犯罪だ。
中国サッカー界に蔓延する腐敗と不正を根絶するための過程で連行されたソン・ジュンホは、八百長や金品授受の可能性が提起されていた。
しかし、この期間でソン・ジュンホの不正が明確に明らかになったことはなく、ソン・ジュンホ本人も疑惑を強く否定している。
中国当局も、ソン・ジュンホをどのような理由で拘禁し、今回釈放したのかについて、具体的に明らかにしなかった。
現段階では、当事者であるソン・ジュンホ本人だけが正確な疑惑と内容を知ることができる。ただ、まだ彼も今回の一件について口を開いていない。
ひとまずKFAは選手登録に問題がないと判断した。関心事はKリーグへの復帰だ。
中国サッカー協会はソン・ジュンホについて国際移籍証明書(ITC)を発行した。
拘禁の影響で選手としての空白期間があっただけに、まずはコニュンFCで試合に出場し、6月から始まる夏の移籍市場でKリーグ復帰を狙うものと見られる。
現時点ですでに多くのKリーグチームが、ソン・ジュンホの獲得に関心を示している。
Kリーグを主管する韓国プロサッカー連盟の関係者は、「Kリーグの選手登録はクラブが申請し、韓国プロサッカー連盟が承認した後、KFAの最終選手登録および公示がなされるのが手続きの流れだ。KFAが先に選手登録に問題ないと判断したため、Kリーグへの移籍も問題ないとみられる」と述べた。
ただ可能性の一つとして、韓国プロサッカー連盟が選手登録を検討する過程でKFAに異議を申し立てることはできる。
ソン・ジュンホは1992年5月生まれの31歳。浦項(ポハン)スティーラーズ下部組織出身で2014年に浦項でプロデビューし、2018年から2020年まで在籍した全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースではリーグ3連覇(2018~2020年)やFAカップ優勝(2020年)のほか、リーグ年間MVP(2020年)などの個人タイトルも獲得した。韓国代表では2019年E-1選手権、2022年カタールW杯に出場した。
その後、2021年から山東泰山でプレーしていたが、2023年5月に中国公安に連行された後、同年夏に山東と契約解除となっていた。
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