ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(30)の通訳・水原一平氏が違法賭博と窃盗の疑いでドジャースから解雇された。
大谷は3月20日、ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで開かれた「MLBワールドツアー・ソウルシリーズ2024」のサンディエゴ・パドレスとのシーズン開幕戦第1戦に「2番・指名打者」として先発出場し、5打数2安打1打点と活躍した。
ドジャースは5-2の逆転勝ちを収め、開幕戦を勝利で飾った。
ドジャースとサンディエゴは20日と21日にかけて、高尺スカイドームで開幕2連戦を行う。
韓国でMLBのレギュラーシーズンが開催されるのは今回が初めてだ。しかも、シーズン開幕戦なだけにさらに意味が大きい。ドジャースと10年7億ドル(日本円=約1051億5247万円)で契約した大谷と、12年3億2500万ドル(約463億円)の契約を結んだ山本由伸(25)が、それぞれドジャース・デビュー戦とMLBデビュー戦を行うため、ファンの関心はさらに熱い。
ドジャースとパドレスが韓国に入国した今月15日から、韓国はお祭りムードだ。
史上初めて韓国で開催されるMLBの試合にファンは熱狂している。20日に行われた開幕戦は韓国シリーズを彷彿とさせるほどの歓声が上がった。特に、パドレスで主力を張る韓国人内野手キム・ハソン(28)が最も大きな歓声を受け、MLB最高のスター大谷も大きな応援を受けた。
ところが、このような歴史的な野球の祝祭が、衝撃的なスキャンダルで汚されることになった。
『ESPN』などのアメリカメディアは21日(日本時間)、「水原氏が大谷の資金、少なくとも450万ドルに着服して賭博をし、これを知ったドジャースが直ちに水原氏を解雇した」と伝えた。
『ESPN』は、水原氏がは南カリフォルニア州の賭博業者に大きな賭博の借金をしたと指摘。大谷のスポークスマン『ESPN』の取材に対し、大谷が水原氏が借金を返すためにお金を送金したと釈明した。しかし、『ESPN』が報道を準備すると発言を翻し、返事を拒否した。
「スポーツベッティングは約40州で合法だが、カリフォルニアでは依然として違法だ」と指摘した『ESPN』は、「今回の事態は、連邦捜査官が南部カリフォルニアのブックメーカー“Mathew Bowyer”を調査する途中に発生した。大谷の口座から巨額の金額が送金された事実が発覚した」とし、水原氏をはじめとする多くの関係者が「大谷が賭博をしたわけではなく、水原氏の賭博による借金を返済するために大谷が送金してくれた」と事態の顛末を説明した。
『ESPN』によると、水原は2021年から同ブックメーカーを通じて野球ではなく海外サッカーなど他競技の試合に賭けていた。ボワイアは誰が送金をしてくれたのか知っていたが、借金を返すなら気にしなかった。代わりに、賭博業者を宣伝するために人々が“大谷もMathew Bowyerの業者を利用している”と信じさせるようにした。
水原氏は『ESPN』とのインタビューで、「以前はドラフトキングスを通じてスポーツベッティングをしており、このためMathew Bowyerも合法的な会社だと信じていた」と釈明した。
続けて、賭博の借金が450万ドルまで増えたことで、大谷に借金を返すことを要請したとし、「大谷は明らかにお願いを好まなかった。二度とこのようなことが発生しないように私を助けてくれると言った。大谷がベッティングに関わっていないことをすべて知ってほしい。自分はこれが違法だとは知らなかったし、二度とスポーツベッティングをしない」と話した。
大谷が水原氏にお金を与えず、直接「Mathew Bowyer」に送金した理由については、大谷がお金の問題に関して自身のことを信頼しなかったとし、「彼は私が(そのお金で)賭博をしないことを望んだ」と明らかにした。
だが、大谷側の弁護士はこのような事実を否認し、大谷が「大規模窃盗」の被害者だという声明を発表した。大谷と水原氏の主張が交錯するなか、事実関係の把握には相当な時間がかかる可能性が高くなった。
ソウルシリーズはドジャースとパドレスの開幕戦も成功裏に開催され、歴史的な野球の祝祭となるはずだった。しかし、MLB最高のスター、大谷ですら想像もできなかったスキャンダルによって台無しとなり、ファンを衝撃に陥れることになった。
(記事提供=OSEN)
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