韓国プロバレーVリーグ女子部の最下位チームがカオスな状況に陥っている。
ペッパー貯蓄銀行AIペッパーズは2月24日、ジョー・トリンジー監督と双方合意のもとで契約を解除したことを発表した。残りのシーズンはアシスタントコーチを務めたイ・ギョンス氏の監督代行体制で戦う。
ペッパー貯蓄銀行はトリンジー監督との契約解除発表の前日の23日、韓国道路公社ハイパス戦でセットカウント3-2で勝利し、昨年11月15日の韓国道路公社戦から今月20日の興国生命ピンクスパイダーズ戦まで続いた「リーグ戦23連敗」の記録を止めた。
女子部最多連敗という不名誉な記録は塗り替えたものの、男女部合わせて最多の連敗記録は免れた。ただ翌日、トリンジー監督に別れを告げることになった。
ペッパー貯蓄銀行の関係者は、トリンジー監督との契約解除について「23連敗をストップさせたこととまったく関係のない決定だ」と話した。
一部では、トリンジー監督がシーズン最後まで指揮を執るという意志を示したと伝えられているが、チーム側は「事実無根だ。知人に話すことはあるかもしれないが、チームにそのような話をしたことはない」と一線を引いた。
トリンジー監督は前任のアーヘン・キム監督が2023-2024シーズン開幕直前に突然退任したことを受け、昨年7月に急きょ後任を任された。
就任当時はアジア枠や外国人選手などメンバー構成がすでに終わっていた状態で、トリンジー監督は前任によって完成されたチームを率いてシーズンを戦わなければならなかった。
混乱のなか迎えた新シーズンは、やはり不振を極めた。
ペッパー貯蓄銀行は現在まで31試合を消化して3勝28敗の勝ち点10。全7チームで圧倒的な最下位で、10勝22敗で勝ち点33の韓国道路公社とは23ポイント差も離れている。
トリンジー監督は「発展して改善しなければならない。良くなって来ている」と繰り返し発言してきたが、成績は足踏み状態が続いた。
「トリンジー監督が選手掌握に失敗した」というのが主な評価だ。
実際、ペッパー貯蓄銀行では最近、試合出場時間をめぐって選手と監督の間で口論が勃発。また、女子バレー韓国代表として2021年東京五輪ベスト4も経験したベテランリベロのオ・ジヨン(35)は、チームメイトの後輩をいじめたとして韓国バレーボール連盟(KOVO)から1年間の資格停止処分下され、チームからも契約解除で放出される事態となっている。
ドロ沼の23連敗をストップさせたペッパー貯蓄銀行だが、ベテランの放出やシーズン途中の監督交代など否定的な話題が相次ぎ、チーム全体が大きく揺らいでいる。もはや目の前の試合を戦うより、内部の騒動を収拾させる方が優先だ。
なお、ペッパー貯蓄銀行は本日(2月29日)19時より、本拠地ペッパー・スタジアムでIBK企業銀行アルトスと対戦する予定だ。
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