攻撃陣不振、負傷者続出、警告累積…韓国代表“プランBリスク”に警鐘「監督の采配力不足が露呈」【アジア杯】

懸念が現実のものになろうとしている。

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ユルゲン・クリンスマン監督率いるサッカー韓国代表が苦境に立たされた。64年ぶりアジアカップ制覇を目指す過程で、以前から叫ばれてきた“プランBリスク”に直面しようとしている。

韓国は1月20日(現地時間)にカタール・ドーハのアル・トゥマーマ・スタジアムで行われたアジアカップ・グループE第2節のヨルダン代表戦で2-2と引き分けた。

右膝の十字靭帯断裂で離脱したGKキム・スンギュ(33、アル・シャバブ)に代わり、GKチョ・ヒョヌ(32、蔚山HD FC)が起用されたことを除けば、バーレーン代表に3-1で勝利した初戦のメンバーと同じ顔ぶれだった。

韓国代表
(写真提供=韓国サッカー協会)ヨルダン戦の韓国代表先発メンバー

ただ、チーム全体的に選手の体は重いように見えた。

前半9分にFWソン・フンミン(31、トッテナム)のPK成功で先制するも、前半の内に2失点で逆転を許してしまった。後半アディショナルタイム、MFファン・インボム(27、ツルヴェナ・ズヴェズダ)のシュートが相手選手のオウンゴールに繋がり、辛うじて敗北は免れたが、多くの課題を抱えることになった。

韓国はヨルダンの前線からのプレスに苦戦した。ソン・フンミンやMFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)がまともにボールを受けられないほど、中盤でパスが途切れる場面が目立った。

ヨルダンは容易にスペースを与えず、フィジカルコンタクトでも強さを発揮して韓国の攻勢を弱めた。自然と韓国は攻守の間隔が広がり、相手のカウンターを浴びる形となった。

バーレーンとの初戦ではイ・ガンインの切れ味鋭いドリブルとシュートなど、個人戦術で相手のけん制を交わしたが、ヨルダンはそれ以上に攻守の組織が安定していた。

ユルゲン・クリンスマン監督
(写真提供=韓国サッカー協会)ユルゲン・クリンスマン監督

韓国に降りかかる“リスクの雨”

前半で逆転を許したのを受け、変化がなかったわけではない。

クリンスマン監督は後半開始と同時に左サイドバックのDFイ・キジェ(32、水原三星ブルーウィングス)を下げ、代わりに投入したDFキム・テファン(34、全北現代モータース)を右SBで起用。右SBで先発出場したDFソル・ヨンウ(25、蔚山HD FC)を左に移した。

スピードに強みを持つキム・テファンを起用することで、サイドに張ったイ・ガンインをより効果的に活用しようという意図だった。実際、右サイドで苦戦を強いられていたイ・ガンインは、中央にも顔を出すなど前半より自由に動き回った。何度か鋭いシュートもあったが、戦況を大きく変えるには至らなかった。

ストライカーのリスクも浮き彫りになった。

クリンスマン監督は今大会のメンバーで、最前線のストライカーにはFWチョ・ギュソン(25、ミッティラン)とFWオ・ヒョンギュ(22、セルティック)の2人しか選ばなかった。

当初はFWファン・ウィジョ(31、ノッティンガム・フォレスト)も含めた3人体制だった。だが、彼が女性との性行為映像を違法撮影した疑惑で代表資格をはく奪され、アジアカップ出場が不可能に。

代役としてKリーグ1(1部)得点王のFWチュ・ミンギュ(33、蔚山HD FC)などの名前が挙げられていたなか、指揮官はチョ・ギュソンとオ・ヒョンギュのみの2人体制で大会に挑んだ。

チョ・ギュソンは第1節と第2節の両方で先発出場したが、決定的なチャンスをゴールにつなげることができなかった。オ・ヒョンギュは第2節で途中出場したが、彼もこれといった活躍はなかった。

決勝トーナメントに上がれば、決定的なチャンスでゴールを決める“決定力”が重要となるが、ストライカーたちのコンディションの低調ぶりが懸念される。

チョ・ギュソン
(写真提供=韓国サッカー協会)チョ・ギュソン

こうした状況で、就任以降から個人戦術の極大化に焦点を置いてきたクリンスマン監督の“采配力不足”が露呈したのではないかという声が日増しに大きくなっている。

グループ突破に赤信号が灯ったわけではないが、決勝トーナメントに進出した後がさらに大きな問題だ。

現在の韓国は、「プランB不在」「負傷者続出」「警告累積」などあまりに多くのリスクを抱えている。プランBの構想が見えないクリンスマン監督だからこそ、その責任からも自由になることはできない。

韓国は来る25日、マレーシア代表とのグループ最終節を戦う。マレーシアはすでに2戦全敗でグループ最下位とし、敗退が確定している状況だ。

64年ぶりにアジアの頂点に立つためには、目の前の試合も重要だがその後の戦いも見通さなければならない。厳しいチーム状況でクリンスマン監督の真価が問われる。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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