釜山(プサン)で行われたE-1サッカー選手権が12月17日に第3節を迎え、コリン・ベル監督率いる女子サッカー韓国代表が日本に0-1で敗れた。
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韓国は中国とドロー、台湾には3-0で勝利し、1勝1分1敗の勝ち点4で今大会を準優勝で終えた。中国も勝ち点4で韓国と並んだが、得失点差により3位となった。韓国に勝利した日本は3戦全勝で優勝を果たした。
ベル監督就任後の初陣であることを考慮しても、決して悪くない結果だ。
韓国から見て、日本は格上の相手と見ていい。FIFAランキングでも韓国が20位、日本は10位だ。なでしこジャパンは今夏にフランスで行われた女子ワールドカップでベスト16入りをするなど、強豪国の部類に入る。
大会前まで、“女子日韓戦”の通算対戦成績は、韓国が4勝10分16敗と大きく負け越していた。直近4試合では2分2敗と勝ち星に恵まれていない。
今大会でも、韓国は前半から日本の猛攻の前に厳しい戦いを強いられた。ショートパスを多用する日本が試合の主導権を握ったが、韓国もボールを奪うやいなや早いテンポでカウンターを仕掛け、日本の守備陣を脅かした。
後半に入ると、むしろ日本よりも韓国に得点のチャンスが増えた。ゴールは奪えなかったものの、失点がPKによる1失点に終わったことはポジティブに捉えていいだろう。
日本は今大会、台湾を9-0で破り、中国にも3-0で完勝していた。強烈な火力を誇るチームだが、韓国相手にゴールを多く決めることはできなかった。それほど、ベル監督率いる韓国の守備が安定していたといっていい。
韓国は組織力も全体的に優れていた。3試合通して試合運びにムラがなく、アグレッシブなプレッシャーやカバーディフェンス、さまざまなパターンで攻撃を仕掛けるなど、チームの土台を作り上げた点も評価できる。
ベル監督は招集した選手をなるべく多く実戦投入し、能力の見極めや韓国代表の現状を確認した。
チ・ソヨン(チェルシー)やイ・グムミン(マンチェスター・シティ)など、イングランドで活躍する主力は合流しなかった。だが、シム・ソヨンやユン・ヨングルなど久しぶりに代表復帰したベテランと、チュ・ヒョージュやカン・チェリムなど20代前半の若手が上手く融合し、チームのバランスをとることができた。
女子サッカー韓国代表は、2020年2月に済州(チェジュ)で行われる東京五輪アジア予選を前に勢いを得た。
予選ではグループAで北朝鮮、ベトナム、ミャンマーと戦う。グループ上位2チームがベスト4へと進むが、決勝トーナメントでは中国かオーストラリアと対戦する可能性が高い。厳しい相手とはなるが、E-1サッカー選手権での競争力を見れば、アジア予選でも十分に期待できる。
コリン・ベル監督は、女子サッカー韓国代表の史上初オリンピック出場へ向けて幸先の良いスタートを切ったといっていいだろう。
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