アジアチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ組み合わせに対し、Kリーグの2強が厳しい反応を示した。
【関連】1部昇格が決まっても前途多難。Kリーグ2優勝チームが背負う苦難とは?
今シーズンのKリーグ1で最終節に劇的な優勝を決め、3連覇に成功した全北現代モータースは、来シーズンの目標を設定した。
リーグ4連覇の大記録ももちろん重要ではあるが、最優先の目標を“ACL制覇”と定めたのだ。
しかし全北現代が入ったグループHには、Jリーグ王者の横浜F・マリノスや、アウェーへの長距離移動を強いられるシドニーFC(オーストラリア)といった並々ならぬ相手がそろう。
残る1チームは東地区プレーオフ2の勝者が入るが、上海上港(中国)となる可能性が高い。今シーズンのACL、全北現代は決勝トーナメント1回戦敗退という結果に終わったが、全北現代の準々決勝進出を阻んだのがまさにこの上海上港なのだ。
全北現代の関係者は、「オーストラリアへの移動は距離的な負担となるが、シドニーへの直行便があるのが幸いだ。2月中旬に中国遠征に臨む場合、ビザの準備のために4~5週間を要するが、ACLプレーオフが1月末に行われるという点がビザ準備の負担になる。さまざまな点で簡単ではない」と見通した。
来シーズンのACLグループステージは、2020東京五輪予選の関係でKリーグ開幕よりも早い2月に始まる。
14年ぶりの戴冠をあと一歩で逃した蔚山現代FCにとっては、先に始まるACLグループステージで好スタートを切ることができれば、国内リーグにもその好調を維持できるだろう。
しかし、蔚山現代と戦うグループFのチームも強者ぞろいだ。東地区プレーオフからはFC東京が上がってくる可能性が高い。また、上海申花を率いるチェ・ガンヒ監督は全北現代監督時代から蔚山現代との相性がいい。上海申花の看板ストライカーであるキム・シンウクは、2009年から2015年まで蔚山現代でプレーしていた。パース・グローリー(オーストラリア)も同グループに入ったが、パースへの直行便がなく移動の負担を考慮しなければならない。
蔚山現代の関係者は「他のチームはともかく、上海申花は我々を良く知るチームだ。チェ・ガンヒ監督が全北現代を率いていたときには敗れたことも何回かある。近年、オーストラリア遠征は幸いにもシーズン開幕前に行われていたが、今回は国内リーグ真っただ中の4月に行かねばならない」と、国内リーグと並行して行われるACLの難しさを語った。
また、「(プレーオフ勝者となる可能性が高い)FC東京には韓国人選手が多く、やはり難しい。グループステージ突破は過去最高に難しいだろう」と展望した。
2016年に全北現代が優勝して以来、KリーグのチームはACL決勝の舞台から遠ざかっている。以降は、2018年に水原三星ブルーウィングスが果たした準決勝進出が最高の結果だ。
2020年のACLでは優勝チーム以外に準優勝チームにも、24チーム制で行われる2021年FIFAクラブワールドカップ(中国開催)に出場できるチャンスが与えられる。Kリーグの名誉挽回のためにはもってこいのモチベーションとなるだろう。
前へ
次へ