日本人選手も戦う韓国プロバレーVリーグ男子部にとって、初の試みであるアジア枠導入はどのような影響を及ぼすのだろうか。
2023-2024シーズンのVリーグは、史上初めてアジア枠の選手が参戦するシーズンとなる。
オフのトライアウトを通じて、全7チームがそれぞれのニーズと好みに合うアジア枠の選手を獲得し、戦力を強化した。
前パナソニックパンサーズの元日本代表・大竹壱青(27、ソウルウリィカード・ウリィWON)、伊賀亮平(29、水原KEPCOビクストーム)の日本人選手2人のほか、モンゴル出身のバヤルサイハン(24、OK金融グループ・ウトメン)とエディ(23、サムスン火災ブルーファングス)、台湾出身のチャン・ペイチャン(22、天安現代キャピタル・スカイウォーカーズ)、フィリピン出身のマーク・エスペホ(26、大韓航空ジャンボス)、台湾出身のリュウ・フンミン(29、KB損害保険スターズ)が指名された。
アジア枠に対する期待感は大きい。トライアウトを通じて参加者たちの実力が期待以上だという評価を受け、オフのトレーニングを通じて能力をより具体的に確認した。
ほとんどのチームが、新シーズンではアジア枠の選手を積極的に活用するものとみられる。
同時に、成長が停滞気味な韓国人選手たちに緊張感をもたらし、リーグの質向上をけん引する要素となる見通しだ。
何より、アジア枠導入は攻撃力、高さ、パワーの3要素を加えることができるという評価が主だ。
10月11日、ソウル江南区(カンナムグ)のホテルリベラで行われた2023-2024シーズンのVリーグ男子部メディアデーの現場でも、関係者たちの意見は似ていた。
リベロを獲得した水原KEPCOを除き、ほとんどのチームがアタッカーのアジア枠を獲得したため、攻撃面で多様な組み合わせとカードを確保したという点がポジティブに作用するものと期待される。
サムスン火災のセッター、ノ・ジェウク(31)は「アジア枠の導入を通じて、我々もそうだし、ほかのチームもより強いアタックを見せてくれると思う。今季は全体的にパワーに溢れた試合をすることになりそうだ」と見通した。
そんな注目のアジア枠の選手たちのなかで、最も活躍が期待されているのが唯一のリベロである伊賀だ。
パナソニックで長年活躍した伊賀は、守備の補強が必要だったチームから大きな関心を集めた。
彼を獲得した水原KEPCOと練習試合を行った多くの対戦相手の監督、選手たちからも良い評価が続いた。
大韓航空やサムスン火災、KB損害保険などが、新シーズンで最も期待される外国人選手として伊賀を名指しした。
水原KEPCOを率いるクォン・ヨンミン監督は伊賀に対する周囲の期待感について、「やはり練習試合を見たからだと思う。ただ、まだ見せられるものはある」と自信を示した。
「韓国でもっと良い選手になりたい」と意気込み伊賀も、「韓国に来て実際にサーブを受けてみたら、サーブのパワーが強く適応に大変だった。外国人選手たちもそのような部分を好む。日本でサーブを受ける際には繊細なショートサーブがたくさん来た。異なる点がある」と韓国バレーへの適応を語った。
興味深い対決構図もある。モンゴル出身の2人のことだ。
バヤルサイハンは仁荷(インハ)大学、エディは成均館(ソンギュングァン)大学と、いずれも韓国の大学で選手生活を送り、多く対戦してきた間柄だ。そして今回、アジア枠導入によってVリーグ進出に成功し、再び相まみえることになった。
バヤルサイハンはミドルブロッカーとして活躍する予定であり、エディはオポジットスパイカーとして主にプレーしつつ、状況に応じてミドルブロッカーとしても出場する可能性が高い。
2人とも韓国語が流暢であり、韓国の文化についてもよく知っている。無難に適応し、新シーズンを準備している。
エディは「バヤルサイハンは大学時代からライバルだった。よく相手にした選手だ」とし、直接対決に期待感を示した。
一方のバヤルサイハンは「エディはパワーがあるが、僕よりは頭が悪い」と冗談を述べつつ、「新シーズンは怪我をせず、良い競争をしてほしい」と激励した。
なお、大竹が所属するウリィカードは、来る10月15日にホームの奨忠(チャンチュン)体育館でサムスン火災ブルーファングスとVリーグ初戦を戦う。
伊賀が所属する水原KEPCOは、17日にホームの水原(スウォン)室内体育館でKB損害保険と対戦する。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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