日本の比較にもならない…“27連敗”韓国女子バレー、天才に依存し続けたチームの悲惨な転落劇

もしかしたら“暗黒期”はこれからが始まりなのかもしれない。

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女子バレー韓国代表はFIVBバレーボールネーションズリーグ(VNL)において2年連続で全敗を喫した。2021年大会の3連敗も加えると大会27連敗だ。

今大会の第3週目は自国の水原(スウォン)で開催され、巻き返しを期待されていたが、最後まで勝利はなかった。

「大会参加」に意義を置くにしても、結果があまりに凄惨すぎる。

天才に依存した韓国バレー…“暗黒期”の始まり

わずか2年前まで、韓国女子バレー界はキム・ヨンギョン(35、興国生命ピンクスパイダーズ)というスーパースターを中心に世界の舞台で競争力を維持していた。

キム・ヨンギョンだけでなく、長身ミドルブロッカーのヤン・ヒョジン(33、現代建設ヒルステート)という存在も一役買った。

何より、国際的な潮流に長けたステファノ・ラバリニ監督がチームを率い、韓国は東京五輪でベスト4入りを達成した。

しかし、長年チームを支えてきた大黒柱のキム・ヨンギョンが引退以降、韓国は国際的な競争力が大きく落ちた。スター1人に依存したチームの栄枯盛衰をまざまざと見せつけられたわけだ。

身長など単純なフィジカル面のせいだと言っても、似たような身体条件を備えたタイ(2勝)や日本(7勝)の奮戦を見ると説得力が落ちる。

こうなると、自然に批判が集まるのが指揮官の采配だ。セサル・エルナンデス・ゴンザレス監督就任以降、韓国が大会24連敗を喫したのだから当然の結果だ。

監督は常に責任の最前線にいるだけに、成績不振の批判から脱することはできない。

ただ、内部ではセサル監督の能力は高く評価されている。代表チームの事情に詳しい複数関係者によると、選手たちはセサル監督の分析と練習プログラムに満足しているという。

セッターのキム・ダイン(24、現代建設ヒルステート)は「監督は分析をより繊細に行い、私たちにより多くの情報を提供してくれる。それがとても役に立っている。練習も常に高い強度を要求される。こうすることで強豪とも戦えるレベルになれることを思い出させてくれる。100%、120%で力を注ぎ込む。国内とシステム自体に差がある」と語った。

もちろん、監督として結果を残せなかっただけに、責任を回避することは難しい。セサル監督の分析能力が成績につながらないのであれば、それは無条件に正しいやり方とは言えない。

セサル監督(中央)

かといって、国内の韓国人指導者が代わりに監督を務めるとして、今の代表を上手く活かすことはできるのだろうか。

大多数の関係者はこの問いに首を横に振る。韓国人監督の指導スタイルでは、当面はある程度効果を期待できるかもしれない。だが、長期的には抜本的な原因を解決できるわけではないという指摘だ。

一部では、選手たちの実力不足が最大の問題であり、例えどの監督が来ても今の代表を活かすことは難しいという見解もある。

監督の能力が不足しているのではなく、単純に選手の実力が劣っているという解釈だ。選手たちが“井の中の蛙”状態だという指摘は正しい言葉である。

しかし、このような環境となってしまったのは選手だけの責任ではない。韓国バレーボール界全体に責任がある。

小・中・高のインフラに比べて、過度に多く発足されたプロチームは質的低下を招いた。

新人ドラフトの就職率が40%を超えるプロスポーツが、レベルの高い競技力を備えることを期待するのは無理な話だ。

最近の新人たちはプロチームで基本ぎから学び直すという。プロに行く資格があってプロに進むのではなく、必要なため就職するという選手が増えているのだ。

ここ数年、新人賞を受賞した選手の顔ぶれを見ても、その存在感は過去と比べて大きく落ちる。

ただ単に年俸を多く受け取ることでお腹がいっぱいになったと指摘するのではなく、なぜ実力が備わっていないのかを見なければならない。

女子バレー韓国代表

プロチームが結果を出すために注力しているのと対照的に、いざ重要となるユース育成のための環境づくり、特に指導者教育システムはまったくないのが韓国バレーの現実だ。

一人や二人の天才に頼っていた韓国バレーは限界に直面した。選手全体の質を高めなければならないにもかかわらず、そのための動きがまったく見られない。

最近、とあるバレー界の関係者は「外国人選手のトライアウトでセルビア人選手にバレー強国となった秘訣を聞いたが、その選手は“良い指導者が多い”と話していた。この答えから、我々に必要なものが何なのかが見えた」と、指導者育成の必要性に言及した。

サッカーを見ると、最上位(P)級指導者ライセンスを保有してようやくプロの監督になれる。近年は世界のトレンドに沿い、実力をつける韓国人指導者も多く出てきている。

反面、バレーは体系化されたシステムがなく、指導者個人の経験に依存する。このため、最も急がれるのは安定した実力を備えたユース年代の指導者を育てることだ。

これは女子バレーの話だけではない。男子バレーはそもそもVNLへの参加資格を失って久しい。

土壌から変えない限り、韓国バレーは今後も国際大会で存在感を発揮することはできないだろう。

体質の改善なしに発展はない。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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