WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)韓国代表にも選ばれていたコ・ウソク(24、LGツインズ)が復調の兆しだ。
開幕前からさまざまな困難に直面したシーズンだったが、今はもうコンディションも回復し、自信も取り戻した。それでも、改善すべき部分はまだ多い。
コ・ウソクは2023年シーズン現時点で12試合に登板し、11.1回を消化。1勝2敗4セーブの防御率3.97を記録している。4勝2敗42セーブの防御率1.48でセーブ王に輝いた“爆発的”な昨季と比べると、やや苦しんでいる印象の成績だ。
負傷が残念だ。シーズン前にはWBC韓国代表に選ばれたが、開幕直前のオリックス・バファローズとの強化試合で肩を負傷し、本大会で1試合も登板できず。韓国の3大会連続となる1次ラウンド敗退の屈辱をベンチで味わうしかなかった。
その後、韓国で実施したMRI検査では、右肩の回旋筋腱板の筋肉痛の一つである棘上筋に炎症があると診断され、リハビリ生活に突入。開幕エントリーに間に合わず、4月18日にようやく1軍初登板ができた。
ところが、5月に入り腰の負傷で再離脱を余儀なくされると、同月は一度も登板することなく、6月4日に1軍に復帰した。
再復帰以降は昨季のようなパフォーマンスを発揮できていると言える。6試合で1敗2セーブ、防御率1.59という成績だ。
今月9日のハンファ・イーグルス戦では0.2回1失点で敗戦を記録したが、ほかの5試合は無失点に抑えている。
“火のような”剛速球がトレードマークのコ・ウソク。昨季は平均153.5kmのストレートを投げていたが、今季は平均152.1kmと1km以上落ちている。
これには負傷の影響があると解釈される。それでも速いボールは投げているとはいえ、もう少し改善される必要はある。
コ・ウソクは「11日のハンファ戦は球速が速く出たと聞いている(平均154.5km)。スピードはもっと上がりそうだ。再び1軍に戻ることができたが、身体を惜しむ考えはない。試合に入った瞬間から痛かった記憶は消える」と強調した。
重要なことは別にある。それが“制球”だ。「自分が望むところにボールを投げなければならない。自分のパフォーマンスが気に入らない。変化球はそれなりに良いと思うが、ストレートの制球と球威を良くしなければならない。改善する必要がある」と指摘する。
実際、今季のコ・ウソクは四球が多い方だ。昨季は9回当たりの四球が3.12個だったが、今季は6.35個まで急増している。四球の割合は16.3%と、プロデビュー以降で最も高い数値だ。
それでも、9回当たりの奪三振数は15.09個と、昨季の11.87個よりは多い数字となっている。負傷による離脱があったとはいえ、依然として球威はあるという意味だ。
だからこそ、四球を与えてしまう点は改善する必要がある。守護神が好きなところにボールを投げられなければ、勝利は相手の手に渡ってしまう。これはコ・ウソク自身もよく理解している。
「負傷の心配もなく投げられている。投げ続けながら良くならなければならない。コンディションももっと上がらなければならないし、パフォーマンスももっと良くならなければならない。ちゃんと防ごうという考えしかない。相手打者もこれまで以上に集中して打席に立っている。球数を減らしながら、失点を防ぐということが一番良い」とコ・ウソクは語った。
球数の節約も、結局はボール球を投げなければ良い話だ。まだ正常軌道に乗ったわけではないが、着実に本調子を取り戻しているとも見なければならない。コ・ウソクが100%の実力を発揮できるかが、LGの成績にも大きく関係している。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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