韓国球界に特大の嵐が吹き荒れている。その被害を最も受けているのが、日本球界でも長く活躍したイ・スンヨプだ。
現役時代は韓国の“国民的打者”として愛され、NPB(千葉ロッテ、巨人、オリックス)でも長くプレーした彼は、今季から斗山ベアーズの監督としてグラウンドに立っている。そんな新米監督は、グラウンド外の問題で頭を悩まされ続けている。
去る3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)期間中、東京で夜通し飲酒したとして物議を醸した投手3人の内1人が、斗山のチョン・チョルウォン(24)だったことが判明した。
昨年は新人王に輝き、WBCでは初の代表に選ばれたチョン・チョルウォンは、6月1日のNCダイノス戦前に飲酒していたことを認め、取材陣の前で頭を下げた。赤坂での飲酒については、高校の先輩で代表エースのキム・グァンヒョン(34、SSGランダース)について飲み会を行ったという。
チョン・チョルウォンは謝罪の場で「プロ野球選手として国家代表の太極マーク(韓国国旗)をつけ、野球ファンとすべての方々にとても大きな失望を与えた。頭を下げて謝罪する」とし、「WBC大会中の3月10日、日本戦が終わったあとに酒席を設けた。代表チームの良くない成績に多くの方々が失望している状況で、恥ずかしい行動を取ってしまった。心からおわび申し上げる。弁解の余地のない軽率な行動だった。自分自身が本当に恥ずかしい」と述べていた。
続いて「太極マークという栄光の勲章をつけただけに、より責任感を持って行動すべきだった。しかし、ファンの期待と信頼を裏切ってしまった」とし、「今後はグラウンドの中ではもちろん、外でも模範となり、ファンを失望させない選手になる。プロ選手として、公人として、謙虚で誠実に行動する。また、KBO(韓国野球委員会)の調査に誠実に臨み、いかなる処罰と叱責も甘んじて受ける。改めて心から申し訳ない」と付け加えた。
ただ、斗山の選手がグラウンド外で起こした“逸脱行動”はこれだけではない。イ・スンヨプ監督は昨年10月の就任直後にも誤っていた。
当時、新人のキム・ユソンとイ・ヨンハの学生時代のいじめ問題に関して、「キム・ユソンについては、私も必要であれば(被害者に)一緒に謝罪する用意をしている。選手が被害者に心から謝罪してほしい」とし、「監督の立場としては、良い選手たちは早く(チームに)合流して試合で頑張ってほしい。ただ、私のやるべきことは多くない。選手が解決しなければならない。被害者に向けた心からの謝罪、和解が必要だ」と力強く語ったことがある。
それから7カ月が経ち、2選手のいじめ問題は解決された。キム・ユソンは心からの謝罪の末に4月に被害者から許され、イ・ヨンハは5月31日に証拠不十分として無罪宣告を受けた。
現在、キム・ユソンは1軍でたくましくデビューシーズンを戦っており、イ・ヨンハはチーム合流初日の6月1日、二軍のハンファ・イーグルス戦で最速149kmの直球を武器に1イニング無失点を記録した。
キム・ユソン、イ・ヨンハが苦難を乗り越え、マウンドを新しい風を吹かせたと思った瞬間、チョン・チョルウォンが飲酒問題だ。
2人の新人とは異なり、チョン・チョルウォンは今季の24試合で、4勝2敗7ホールド、防御率4.01を記録している中心選手だ。斗山はひとまず、チョン・チョルウォンを1軍からは除外せず、KBOの調査結果を待つという立場だ。KBOは現在、球団別に提出された経緯書と事実関係を把握している。
斗山の関係者によると、イ・スンヨプ監督はチョン・チョルウォンの飲酒問題について、「申し訳ない。重要な大会期間中、そのように出入りしたことを野球ファンに申し訳なく思う」と重ねて謝罪したという。
所属選手の問題により、短期間で何度も頭を下げてきたイ・スンヨプ監督。彼の苦労が報われる日は来るのだろうか。
現役時代のエネルギッシュな姿が懐かしく思える今日この頃だ。
(記事提供=OSEN)
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