「指導者研修期間中、多くの方に会ってサッカーの話、コーチングの話をした。サッカーにはさまざまな哲学、戦術がある。一番気になったのは、監督やコーチとして見ることと選手として見ることに、何が違うのかを感じたかった。最近は指導者が選手を管理するマネジメントが重要。それについても多くのことを考えるようになった」
キ・ソンヨンは、指導者と選手間の差を縮め信頼を築くことを優先するためには「選手の得意なこと」に焦点を置くことだと感じたという。
「基本的に選手の長所を把握することに関心がある。最大限(実戦で)選手のパフォーマンスがよくなるように導くリーダーシップについてもっと勉強したい」
2018年にスウォンジーシティからニューカッスルに合流した当時、指揮官を務めていたベニテス監督とは、特に長い間話し合ったという。
「トレーニングセッションについてたくさん聞いた。どんなやり方で試合を準備すればいいのかなどだった。ベニテス監督が目指す戦術や哲学も共有したが、とても良い時間だった」
ベニテス監督も当時、SNSに「私の元選手であるキ・ソンヨンに会えて幸せだ。彼が監督になるために研究し、勉強することを分かち合うことができて良かった」とコメントして喜んだ。
キ・ソンヨンは昨年、とあるユーチューブチャンネルに出演し、スコットランドやイングランドを経て経験した戦術などを論理的に説明し、注目を集めた。
自ら好む戦術についても語っていたが、普段からチームメイトと戦術の話を楽しむほうだという。
「最近、うちのチームにイム・サンヒョプが来た。彼に(前所属チームの)浦項の戦術も聞いたりした。実際、ピッチの上では常に変数があるため、100%消化するのは難しいが、選手が戦術理解度を備えればプレーするのに役立つ」
後輩たちがキ・ソンヨンを慕い従うのは、彼が築いてきた華やかなキャリアのためだけではない。ベテランになっても相変わらずサッカーに真剣で、研究する姿勢にある。
特にFCソウルはポジション破壊をテーマにした後方からのビルドアップを追求している。一部の若い選手は「まだ(戦術が)難しい」と話すが、キ・ソンヨンは語る。
「できるだけ後輩たちに(戦術を)理解してもらおうと思う。選手が成長するためには、自分ができることばかりやっていてはいけない。大きな舞台に出るためには戦術的にもアップグレードされなければならない。(ソウルの戦術は)成長の機会になりうる。もっと欲を出して準備してほしい」