実戦感覚を憂慮する声が挙がるなかでも、ベント監督が大会直前にベストメンバーで強化試合を行わない理由は、「休息」を最重要事項に考えたからだ。
代表の主力選手は、ここ2カ月間でほぼ休むことなくプレーを続けてきた。
そのなかで、キャプテンかつ絶対的エースのFWソン・フンミン(30、トッテナム)は眼窩骨折の重傷で手術を受けた。守備の要であるDFキム・ミンジェ(26、ナポリ)も、イタリア・セリエA14試合、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)6試合の計20試合をフル出場した。
また、KリーグもW杯の影響で例年にない過密日程が組まれたことで、DFキム・ジンス(30、全北現代モータース)をはじめとする多くの選手が大小の負傷を抱えたまま11月を迎えることになった。
このため、ベント監督は無理に実戦をこなして負傷者が発生するリスクを懸念した。むしろ休息を設け、コンディションを本番までに最大限引き上げることが重要だと判断したのだ。
実際、ベント監督は「国内組の多くがシーズン終盤に多くの試合を消化した。欧州組も同じだ。練習を重ねて試合の準備を進めることがより重要だと思った」と、試合を行わない根拠を説明している。
ひとまず現在までの雰囲気を見ると、ベント監督の決断は適切なものだったと言える。