MGC開催の日本のマラソン界と比べると…東京五輪を目指すかつての強国・韓国はいま

2019年09月15日 スポーツ一般

前回リオデジャネイロ五輪では、ソン・ミョンジュンの131位(2時間36分21秒)が最高。もう1人の韓国代表であったシム・ジョンソプは、カンボジア代表として出場した猫ひろしと最下位争いを繰り広げる始末だった。

結局、シム・ジョンソプは138位、猫ひろしは139位、最下位の140位はヨルダンの選手たったが、この一例だけ見ても韓国マラソンの“現在地”がわかるだろう。

もっとも、かつては韓国もマラソン強国だった。

1992年バルセロナ五輪で、日本の森下広一と“モンジェイックの丘の死闘”を展開したファン・ヨンジョは金メダルに輝いているし、4年後の1996年アトランタ五輪ではイ・ボンジュが銀メダルを獲得している。かつては韓国もマラソン強国だったのだ。

だが、今の韓国にその面影はない。前出したファン・ヨンジョやイ・ボンジュ引退以降、韓国は世界的なランナーを輩出できていないというのが実情だ。

2017年世界陸上の男子マラソンでも日本は川内優輝が9位、中本健太郎が10位、井上大仁が26位だったが、韓国の選手は、59位、64位、65位と下から数えるほうが早かった。

東京五輪の出場基準タイムをクリアしなければ…

今年3月には東京五輪・男子マラソン韓国代表選抜戦を兼ねた「ソウル国際マラソン」が行われたが、男子部で優勝したシン・ジョンソプのタイムは2時間12分58秒、2位のチョン・ウィジンが2時間13分9秒、3位のファン・ジョンピルは2時間15分5秒だった。

女子部で優勝したアン・スルギのタイムは2時間27分28秒だ。

東京五輪のマラソン出場基準タイムは男子2時間11分30秒、女子は2時間29分30秒。今回のMGCはその基準をクリアした男子31人、女子12人の選手のみが出場できるが(欠場者が出たため、男子30人、女子10人)、韓国には現時点で基準タイムに届かない選手のほうが多いのだ。

そうしたこともあって、冒頭で紹介した記者も、日本マラソン界の選手層とのレベルの高さが羨ましく映るのだろう。

いずれにしても韓国も羨む日本マラソン界。本日行われるMGCでは、どんな結末が待ち受けているだろうか。

韓国ではマラソンが「人生の縮図」「人間勝利の劇的ドラマ」として描かれるが、MGCでもきっと劇的なドラマが待っているに違いない。

(文=慎 武宏)

前へ

2 / 2

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集