韓国プロバレーの開幕メディアデーは、通常ときめきと期待に満ち溢れているものだ。しかし、今回はそうではなかった。
“学生時代のいじめ加害者”として、誠実な謝罪もなくVリーグを離れたはずのイ・ジェヨン(26)の復帰説が浮上したことに、外部では反対する声とともに皮肉な雰囲気が形成された。
韓国バレーボール連盟(KOVO)は10月19日、ソウル江南(カンナム)区のホテルリベラで2022-2023シーズンのVリーグ女子部メディアデーを開催した。
そこで、“ムードメーカー”の役割で現場の雰囲気を盛り上げたのが、女子バレー韓国代表で長年活躍した“女帝”ことキム・ヨンギョン(34、興国生命ピンクスパイダーズ)だ。
今季に2季ぶりVリーグ復帰を果たしたキム・ヨンギョンは、「この場に来たら、開幕まで日にちがもう残っていないことが実感できる。いつも開幕する頃には天気が寒くなるが、今の天気が開幕を知らせるかのようだ」とし、「本来のプレーよりも速いバレーをしようと努力している」と話を切り出した。
最後にVリーグでプレーした2020-2021シーズンでは、30試合112セットに出場し、アタック1位(成功率45.92%)、得点6位(648点)、サーブ1位(セット当たり0.277個)を記録。昨季は中国の上海ブライトユーベストで1シーズンを過ごし、再びピンク色のユニホームを着ることになった。
ただ、会場の雰囲気はすべてが肯定的というわけではなかった。イ・ジェヨン復帰問題のためだ。
前日の18日、ペッパー貯蓄銀行AIペッパーズが、“学生時代のいじめ加害者”としてVリーグを離れたイ・ジェヨンと接触した事実が明らかになった。
ペッパー貯蓄銀行側は、単なる接触レベルでイ・ジェヨンと1カ月前に会ったとしている。
この日、メディアデーが行われた会場にはイ・ジェヨンの復帰を反対するファンが送った花輪が到着した。花輪は13時頃、会場の入り口に設置され、同時にトラックデモまで繰り広げられた。
花輪とトラックはKOVO側の代行会社によって最終的に撤収されたが、開幕前のメディアデーを大きく騒がせた。
とあるバレー関係者は、「メディアデーというお祝い事の日に、このような話題が挙がることはあまり好ましくない」と伝えた。
イ・ジェヨンは現在、無所属の状態だ。2020-2023シーズンの第4ラウンドが始まる来年1月4日以前までに登録すれば、選手としてプレーできる。任意解約選手の身分ではないため、Vリーグ7球団と自由に契約できる。
ペッパー貯蓄銀行のキム・ヒョンシル監督は、「先行措置がなされなければならないことには同意する。ファンに対する公開的な謝罪、反省の時間などがなければならない」と強調した。
◇イ・ジェヨン プロフィール
1996年10月15日生まれ。韓国・全羅北道出身。身長177cm。韓国のプロバレーボール選手で、元韓国代表。双子の妹イ・ダヨンもバレー選手。実父は陸上競技(ハンマー投げ)韓国元代表のイ・ジュヒョン、実母はソウルオリンピック代表セッターのキム・ギョンフィというサラブレッド家系。2014年のプロデビューから2021年1月まで韓国国内で活躍していたが、学生時代のいじめ発覚で物議を醸し、無期限出場停止と代表資格はく奪処分を受けた。その後、活躍の場を求め、2021-2022シーズンはギリシャのPAOKテッサロニキでプレーした。
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