今季メジャー大会2勝目のコ・ジンヨン「尊敬する先輩と肩を並べることができてうれしい」

2019年07月30日 ゴルフ #米国女子ツアー

うっすらと浮かんだ涙は、愛国歌(韓国国歌)が鳴り響くと洪水のようにあふれた。

韓国人選手として2015年以来、4年ぶりに、1シーズンで米国女子ツアーのメジャー大会2勝を記録した“冷徹な勝負師”コ・ジンヨンは、「韓国の友人が“日曜日に試合したら神の祝福があるはず”と声をかけてくれたが、本当にそうなったようだ」と喜びを表わした。

コ・ジンヨンは7月29日(日本時間)、フランスのエビアンリゾートGCで行われた米国女子ツアー今季4回目のメジャー大会「エビアン選手権」(賞金総額410万ドル)で、通算15アンダーを記録して優勝した。

雨が降ったり止んだりして、天候の変化が多かったなか、今季平均ストローク1位(69.225)らしい試合運びで、優勝カップを掲げた。

去る4月、今季初のメジャー大会である「ANAインスピレーション」を制し、生涯初めてメジャー大会のタイトルを獲得したコ・ジンヨンは、それから3カ月余りで再びメジャー大会を制した。

(写真提供=LPGA)授賞式に参加するコ・ジンヨン

初のメジャー制覇も逆転劇だったが、今回も逆転優勝を果たした。

コ・ジンヨンには、前日からの雨で試合開始が2時間遅れるなど困難に加え、2014年エビアン選手権優勝者で最終ラウンドの開始まで単独首位だったキム・ヒョージュ、世界ランキング1位で1打差の単独2位を走っていたパク・ソンヒョンと同じ組という、心理的な負担がまずあった。しかしコ・ジンヨンは勝負師らしく相手がミスしたときも、バーディを記録したときも冷静さを失うことなく、自分のプレーに集中した。

序盤は韓国人選手がトップ5を独占していたが、パク・ソンヒョンとパク・インビ、イ・ミヒャンが次々と優勝圏から離れ、アメリカのジェニファー・カップチョ、中国のフォン・シャンシャンらに1打差にまで追撃されたりもした。しかし17番ホール(パー4)でバーディを奪い、事実上の優勝を決めた。

だからか、生涯初のメジャー大会優勝となったANAインスピレーションのときとは違い、余裕のある笑顔で優勝の喜びを満喫した。

(写真提供=LPGA)

そんなコ・ジンヨンも授賞式で国歌が鳴り響くと、目頭が熱くなった。彼女は「本当に泣かないと決めていたのに、見知らぬ土地で太極旗(韓国国旗)がはためき、国歌が鳴り響くと我慢できなかった。韓国人であることがとても誇らしい」と話した。

コ・ジンヨンは「ラウンドを通してリーダーボードは見なかった。(キム・)ヒョージュは友人であり、(パク・)ソンヒョン先輩も幼い頃から親しく過ごしたので、彼女たちがどんなプレーをしていても、自分のプレーに集中しようと決意した。キャディーも“あなたを見に来てくださったファンを訪れてみなさい。ただ楽にこの状況を楽しみなさい”と言ってくれて、自分だけに集中できた」と述べた。

(写真提供=LPGA)

ギャラリーの歓声を聞いて優勝を予感したコ・ジンヨンは、17番のバーディパットについて、「なんとなく入ったら何かが決まるような気はした。できるだけ頑張って打とうと思ったら、ぴったりと入った」と笑った。

彼女は「3ラウンドを終えた後、4打差なので自分だけ頑張ればチャンスが来ると考えた。本当に運が良ければ優勝のチャンスが生じるという予感がした。だから自分の試合に専念できたし、リーダーボードを見なかったことが集中力につながった」と説明した。

この日の優勝でコ・ジンヨンは、賞金ランキングと世界ランキングで1位を独占することになった。何よりも2015年に「KPMG女子PGA選手権」と「全英リコー女子オープン」を制したパク・インビ以来、4年ぶりに1シーズンにメジャー大会を2回優勝した選手となった。

コ・ジンヨンは「尊敬する先輩の記録と肩を並べることができてうれしい。何よりもシーズンに2度もメジャー大会を優勝できたということが、未だに信じられない」と笑った。

(写真提供=LPGA)

彼女は「世界ランキング1位に復帰したが、今週と来週は大きく変わることはないようだ。ただ頑張ってやれば良く、人格的にも発展する人になれたら」と言いながら、「世界ランキング1位になったことが、コースの中で自分のゴルフに集中できる動力として作用してくれればいい」と、トップの座を守りたい意思も見せた。

シーズン最後のメジャー大会を控えて、すっきりとした気持ちでイングランドに向かうコ・ジンヨンは、「2週連続でメジャー大会に出るのは初めてなので、体力的に難しいと考えている。残り時間でしっかりと回復して、次の試合でも自分のプレーに集中したい」と述べた。

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