年俸よりも“夢”を選んだファン・ウィジョ、いざ欧州舞台へ「二桁得点を決めたい」

「もっと大きな舞台でサッカーをしたい気持ちが強かった」

ファン・ウィジョがジロンダン・ボルドー所属として、公式スケジュールを開始した。7月18日にアメリカ行きの飛行機に乗り、チームのキャンプ地であるワシントンに向かった。

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仁川国際空港第2ターミナルは午前8時を過ぎたばかりの早い時間にもかかわらず、ファン・ウィジョを見送るために集まったファンや報道陣でにぎわった。彼は空港を訪れたファンに、ゲートを通過する最後の瞬間までサインし、写真を撮った。

「僕にはすべてが新しい機会だ。初挑戦でときめきもあり緊張もするが、応援してくれるファンの姿を見ると責任感が強くなる。頑張って、良い姿をお見せしたい」と、覚悟を明かした。

京畿道・城南(ソンナム)出身のファン・ウィジョは、城南FCのユースシステムで成長し、2013年にプロデビューした“フランチャイズ・スター”だった。 2017年にJリーグのガンバ大阪に移籍。2018シーズンは16ゴールを記録して、Jリーグのベストイレブンに選ばれ、アジアにおける自身の能力を証明した。パウロ・ベント監督率いる韓国代表においても、チーム最多得点(7点)を記録している。

しかしファン・ウィジョの胸中には、いつも大きな舞台に対する熱望があった。ひたすら“欧州”を目標に、中国、中東、北米ら複数のクラブから送られたラブコールを断った。年俸が最大400万ドル(約4億3000万円)に達する甘美な提案もあった。

それでもファン・ウィジョは、お金よりも夢を選んだ。年俸がそのまま自分の価値と直結するプロの世界において、容易ではない決断だ。

ガンバ大阪のチームメイトたちがファン・ウィジョを胴上げして見送った理由でもある。彼は「チームが良くない状況で離れることになり、申し訳ない。良い雰囲気で送り出してくれ、感謝の気持ちだ。だからこそ頑張らなければならない」と話した。

そして「もっと大きな舞台に挑戦してみたかった。より良い環境でサッカーしたい気持ちも強かった。欧州には有名な選手も、偉大なチームもあまりにも多い。ピッチで直接対戦しながら多くのことを学び、体験することができそうだ。早く感じてみたい」と期待した。

ボルドーは、フランス1部リーグで6回優勝した名門クラブといえる。しかし昨シーズンはストライカー不足に悩み、20チーム中14位にとどまった。二桁以上の得点を記録したFWは、フランソワ・カマノ(10ゴール)が唯一だった。今シーズンを前にファン・ウィジョを迎え入れたのは、最前線を強化したいというパウロ・ソウザ監督の強い意志が込められていると解釈できる。

これはファン・ウィジョの“早期合流”からも確認できる部分だ。ファン・ウィジョは当初、フランスでメディカルテストなどの残りの手順を終える計画だったが、プレシーズンのスケジュールにすぐに合流するよう司令塔の呼び出しを受け、行き先を急遽アメリカに変更した。

欧州進出を果たしたファン・ウィジョの究極の目標は、「ビッグリーグ」でプレーすること。イングランド・プレミアリーグやスペインのラ・リーガ、イタリア・セリエAなど、スター選手が集まる舞台だ。

2010年にドイツでデビューし、現在プレミアリーグのトッテナムでプレーするソン・フンミンが良い例だろう。

ファン・ウィジョは「もちろん、さらに高いステージを夢見ている。しかしフランスで良い姿を見せることが先だ。まずは試合に出場することが重要。早く適応して、二桁得点を記録したい」と力を込めた。

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