今季からKリーグ1の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)でプレーしている元日本代表MF天野純(30)に、韓国の激しい洗礼が続いている。
今冬、シャルケへレンタル移籍した韓国代表MFイ・ドンギョン(24)の代役として、横浜F・マリノスからレンタルで蔚山現代に加入した天野は、合流がやや遅れたもののすぐに適応し、チームの中心として光り輝いている。
先発出場した金泉尚武(キムチョン・サンム)との開幕戦から華麗な個人技を披露し、第2節の城南(ソンナム)FC戦では2ゴールでチームの初勝利を牽引。第3節の水原(スウォン)FC戦でもチャンスメイクで2-1の勝利に貢献していた。
初のKリーグで大活躍を見せている天野が、他チームの“最重要警戒人物”となることは必然だった。第4節の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースとの“現代家ダービー”前には、全北現代のキム・サンシク監督が天野を要注意人物に挙げたほどだ。
しかし、警戒度と比例してマークが厳しくなれば、Kリーグ特有のフィジカルを前面に押し出したプレスをはじめ、心理的な神経戦が伴わざるを得ない。
予想通り、天野は直近2試合で相手選手との“神経戦”に巻き込まれることになった。
全北現代戦では相手の韓国代表FWソン・ミンギュ(22)とボールをめぐって衝突。27日に行われた浦項(ポハン)スティーラーズ戦の後半終盤には、自身の動線に相手DFシン・グァンフン(35)が被って衝突した際、シン・グァンフンに倒されるというラフプレーもお見舞いされた。
このシーンについて、日本のサッカーメディア『ゲキサカ』は「天野が韓国でプレーと関係なく投げられた」という表現で報道し、蔚山現代サポーターはクラブのSNSで同プレーを批判した。
それでも、天野は相手の挑発やラフプレーに乗ることなく、冷静にプレーを続けている。これが、「サッカーを知っている選手」とホン・ミョンボ監督が彼を褒め称える所以だ。
天野に対するプレッシャーが大きかったのは、活躍以外にも、センターFW不在により蔚山現代がゼロトップシステムを活用したためだ。
ただ、最近では元浦和レッズのブラジル人FWレオナルド(24)が3月に4ゴールを決める活躍を見せるなどし、天野の負担は軽減されている。現在は2列目中央に位置し、速いテンポのパス、周りを活用したプレーで相手のプレッシャーから脱しつつある。
天野は4月2日、仁川(インチョン)ユナイテッドとのアウェー戦に出場する見通しだ。現在、蔚山現代が5勝1分(勝ち点16)で首位をキープしているなか、仁川は4勝1敗1分(勝ち点13)で2位につけている。
シーズン序盤の首位攻防戦で、天野がチームに勝利をもたらせるかに多大な関心が集まっている。
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