一体何故、双子は“謝罪”をしなかったのか。
イ・ジェヨン、イ・ダヨン姉妹のギリシャリーグPAOKへの移籍が確定した。
国際バレーボール連盟(FIVB)は9月28日、韓国バレーボール協会に2人の国際移籍同意書(ITC)発給の公文書を送付。これは2人の移籍を通じて発生する手数料を支払う口座を教えてほしいという内容とともに、29日の19時までに連絡が無い場合、職権を行使してITCを発給すると通達したという。
しかし協会の態度は強硬だった。これに先立ち、「バレーボール関係機関から懲戒処分を受け、その執行期間が満了していない者、性暴力など恥ずべき行為で社会的物議を醸したり、バレーボール界に重大な被害を与えたりした者の海外進出資格を制限する」という協会内の規定に基づき、2人のITCを発給できないという意思を固持した。
FIVBの通告にもかかわらず、協会は意志を変えなかったのだ。
協会関係者は「我々は最初から規定に従い、2人の選手を海外に移籍させないという意向を示した。FIVBから公文が届いたが、協会の決定は変わらない」と話している。協会の意思とは関係なく、FIVBの選択によって、2人は移籍手続きを終えることとなったようだ。
しかし2人の選択には疑問符が付きまとう。一定期間自粛して反省の態度を示せば、韓国内でプレーできる道が開かれるというのが、大半のバレーボール関係者らの意見だった。にもかかわらず、2人は出場のため条件の悪いギリシャに向かうことを選択したのだ。
とある関係者は「子ども時代に犯した過ちではないか。本人たちが心から謝罪し、反省する時間を送れば、いつかはVリーグでプレーできるのではないか。にもかかわらず、その謝罪の一言が言いたくなくて、より困難な道、もしかすると“二度とは戻れない道”に進んだのかもしれない。過ちを謝罪することは、そんなに難しいのか。まだ若い選手なのに残念だ」という思いを示した。
2人は2021年初頭、学生時代のいじめの事実が伝わったあと、SNSを通じて謝罪文を掲載したが、ほどなくして削除していた。
続いて被害者側と訴訟を起こしたのだが、暴露内容は事実と異なるというのが訴訟理由だった。
しかし、テレビのインタビューでは「刃物を振り回したのは事実ではない。手に持っているだけだった」という荒唐無稽な釈明をすることに。これは事実上、犯罪を自供したも同然の発言で、大衆が完全に背を向けるきっかけとなってしまった。
にも関わらず、2人は一部のマスコミを通じて職業選択の自由を主張し、このような状況に陥った悔しさを訴えるなど、国民感情を逆撫でするような行動を続けてきたのだ。
協会が、規定だけで2人の海外進出を防ぐことに弱点があるのは事実だ。しかし2人は、職業選択の自由を訴える前に、自分たちの過ちを認めて反省するのが優先だったのではないか。
大衆が2人、そして言葉を代弁するマスコミの論理に冷ややかに反応するのも、順序が間違っているからだと言えるはずだ。
また別の関係者は「協会の規定適用問題は本質ではない。双子の反省しない態度が、最も間違っている。まず謝罪して頭を下げていたら、協会も大衆も違う反応を見せてくれただろう」と指摘している。
イ・ジェヨンとイ・ダヨンは、この事件が起こるまで韓国代表の中心メンバーでもあった。スキルもスター性もズバ抜けており、韓国バレーボール界の至宝とも言うべき存在だった。
2人が猛省し、その姿勢を見せていれば、バレーボール界も折を見て2人の復帰を推進していたはずなのに、今は取り返しのつかない状況だというのが大方の見方だ。
Vリーグ関係者は、「非常に残念だ。Vリーグの興行を支えた選手たちではないか。現在の雰囲気では、両選手の国内復帰(の影響)は計り知れない。不可能なこともある」と皮肉った。
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