韓国代表率いるパウロ・ベント監督の“プランB”は今度こそ見つかるのだろうか。
現韓国代表の不動のストライカーは元ガンバ大阪FWファン・ウィジョ(28、ボルドー)だ。2列目のFWソン・フンミン(29、トッテナム)がサポートし、ファン・ウィジョがフィニッシュするという流れが定番の得点パターンとなっている。
しかし、悩みはある。ソン・フンミンやFWファン・ヒチャン(25、ライプツィヒ)、MFイ・ジェソン(29、マインツ)、元FC東京のMFナ・サンホ(25、FCソウル)など、2列目の人材が豊富な一方、ファン・ウィジョのバックアップやパートナーとなる前線の選手が未だ見つからないのだ。
ベント監督は去る2018年8月の就任以降、前線で多くの選手をテストしてきた。典型的なポストプレーヤーよりも、豊富な運動量をベースにしたプレッシャーとDFライン後方への抜け出しに優れるフォワードをベント監督は臨んだが、誰も彼の心をつかめなかった。
2019年のE-1サッカー選手権ではFWキム・スンデ(30、全北現代モータース)が招集されたが、負傷によって大会途中に離脱。昨年11月の五輪代表とのスペシャルマッチでは、FWキム・ジヒョン(25、蔚山現代)がチェックを受けた。しかし、2人はそれ以降、ベント監督から招集されずにいる。
今年3月の“日韓戦”に出場するなど、継続してメンバーに選ばれていた元湘南ベルマーレのFWイ・ジョンヒョプ(30、江原FC)も、今シーズンは所属チームでの不振と相まって6月に続き今回も抜てきされず。
身長198センチの圧倒的フィジカルを誇るFWキム・シンウク(33、上海申花)も、6月の2次予選では1試合に出場して2ゴールを記録したが、完全な“プランB”に定着したとは言えない。
来る9月からスタートする2022年カタールW杯アジア最終予選で、2日にソウルワールドカップ競技場でイラク代表、7日に水原(スウォン)ワールドカップ競技場でレバノン代表と対戦する韓国。ベント監督が今回、チェックしたい選手として選択したのはFWチョ・ギュソン(23、金泉尚武)だ。
185センチの身長を持つチョ・ギュソンは、空中戦はもちろんのこと、連係プレーやシュートの能力に優れる。昨シーズン在籍した全北現代(チョンブク・ヒョンデ)、兵役義務遂行のため今季から入隊した金泉尚武(キムチョン・サンム)では、サイドで起用されたこともあった。得点の数こそ多くないが、その動き出しは高く評価されている。
ベント監督はチョ・ギュソンについて「空中戦に優れ、技術的にも優れている」とし、「どのようにチームに溶け込むのかを観察したい」と伝えた。
最終予選は本大会直前の最後の関門だ。2次予選とははるかに異なるレベルが待っている。10月からは中東遠征もスタートする。ファン・ウィジョ一人が善戦を担うことは事実上不可能であり、“プランB”は是が非でも必要だ。
サプライズとも言えるA代表初招集を受けたチョ・ギュソンは、ベント監督が頭を悩ます“プランB”の最適解となるのか。来る最終予選2試合を楽しみに待ちたい。
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