なぜキム・ヨンギョンは無冠のバレー女帝だったか。その過去と悲願成就の課題とは?

キム・ヨンギョン(33)最後の“宿願”であるオリンピックのメダル獲得は実現できるのだろうか。

【関連】韓国女子バレー、東京五輪大躍進で異例のボーナス追加!その驚きの額は?

キム・ヨンギョンは、これ以上の修飾語が必要ないほどのワールドクラスの実力を持った女子バレー選手だ。

国際バレーボール連盟(FIVB)は、韓国の東京五輪準決勝進出が決まった後、キム・ヨンギョンを「10億人のうちの1人」と表現した。数多くいるスター選手の中でも、最も輝かしい選手がキム・ヨンギョンと言う意味だ。

(写真=聯合ニュース)キム・ヨンギョン

韓国を越えて世界のバレーボール界で認められているキム・ヨンギョンにとって、オリンピックのメダルは最後の宿願だ。

キム・ヨンギョンはこれまで、韓国をはじめ日本や中国、トルコなど世界各国を行き来し、多くの成果を残してきた。所属チームでは毎日の食事のように優勝を成し遂げてきたキム・ヨンギョンだが、オリンピックでは未だメダルが遠い。

2012年ロンドン五輪では4位にとどまり、前回の2016年リオ五輪では準々決勝で戦いを終えた。

キム・ヨンギョンは昨年、年俸の大幅削減を受け入れ、トルコのエジザージュバシュから韓国国内のVリーグへ復帰した。これも、東京五輪を準備するための決断だった。それだけ準備に力を傾け、メダルへの思いを膨らませてきた。

キム・ヨンギョンの境遇は、サッカーアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(34)と似ていると言って良い。実力や業界での評価、さらには個人の能力も圧巻でありながら、代表でのタイトルが無縁だったからだ。

メッシも、能力で見れば“オールタイム・ナンバーワン”と言っても過言ではない選手だ。だが、アルゼンチン代表のユニホームを着ると優勝トロフィーを掲げられないという“ジンクス”に悩まされてきた。

しかし、メッシは今年7月まで行われたコパ・アメリカで見事優勝を果たし、自身初となる代表でのトロフィーを手にした。長年の宿願を一つ叶えたチャンピオンとなった。

今大会で一度敗れたブラジルとの再戦

前評判が低かった韓国を準決勝まで導いたキム・ヨンギョンは、メダル獲得まであと一歩のところまで来ている。残された関門は残り一つだ。

韓国は本日(8月6日)、準決勝でブラジルと激突する。6月まで行われたFIVBバレーボールネーションズリーグでも、東京五輪のグループステージでも、韓国に完敗をもたらした強豪国だ。

客観的な戦力で見れば韓国が劣勢であり、現実的に見れば勝利の可能性は非常に低いと言って良いだろう。

ブラジルは準々決勝でROC(ロシアオリンピック委員会)をセットカウント3-1で下した。第4セットまでで二桁得点を記録した選手が5人に達するという圧倒的な攻撃力を駆使した。レフトやライトのみならず、センターラインのアタックも強力で穴がない。

とはいえ、韓国は準々決勝で勝つことすら難しいと思われた世界ランキング4位のトルコを、フルセットの末に破るという“異変”を演出してみせた。

韓国対ブラジルは、まさにダビデとゴリアテのような対決となるが、高い集中力と“ワンチーム”の粘りを兼ね備えた韓国に勝算がまったくないわけではない。

キム・ヨンギョンは、今回の東京五輪で表彰台に上がれれば、メッシのように“ついにすべてを成し遂げた”という評価の中で、華々しく代表でのキャリアを締めくくることができる。

準決勝に進んだこと自体が奇跡的で、期待以上の成果ではあるが、ここまで来た以上はキム・ヨンギョンとしても欲を出さざるを得ないだろう。

キム・ヨンギョン自身もそうだが、東京五輪を通じて女子バレーボールのファンになったという人々も、キム・ヨンギョンの戴冠を待っているはずだ。

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集