プレッシャーの大きい試合において、“無観客開催”という要素は確実に韓国の選手にとって好材料となっている。
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7月29日に行われた東京五輪の女子ハンドボールで、韓国は今大会の球技種目における“日韓戦”初勝利を挙げた。開催国の日本を27-24で下した韓国は、グループステージ3試合目で初勝利に成功した。
6チームずつ2組に分かれて行われるグループステージでは、上位4チームが決勝トーナメントに進むことができる。1勝2敗で日本と同率に並んだ韓国は、来る31日のモンテネグロ戦、8月2日のアンゴラ戦で勝利を目指す。
オリンピック最高のライバルマッチとも言える“日韓戦”は、選手のパフォーマンスだけでなく、観客席の雰囲気など周りの環境も選手に大きな影響を与える。
しかし、東京五輪が都内における新型コロナウイルス感染拡大の影響で無観客開催となったことが、アウェーで戦う韓国の選手にとって有利に働くという見方が多かった。
予想通りだった。女子ハンドボール韓国代表は日本を確実に制した。序盤から日本を強く追い込んだ韓国は、9得点を挙げたリュ・ウンヒ(31)をはじめ、ともに4得点をマークしたイ・ミギョン(29)、チョン・ユラ(29)などの活躍で、一度もリードを奪われなかった。
今回の勝利により、韓国は去る2010年のアジア選手権で引き分けて以降、日本相手に15連勝を飾る“絶対優勢”を立証した。
試合後、カン・ジェウォン監督は「“韓日戦”では当然勝たなければならない。これまで我々は国内であれアウェーであれ、常に日本に勝ち続けてきた」とし、「(東京五輪では)審判の判定に関するホームアドバンテージはあるかもしれないが、(無観客の中で選手が競技をすることに)困難はなかった」と伝えた。
また、リュ・ウンヒも「“韓日戦”はじゃんけんでも負けてはならないので、崖っぷちに立たされている気持ちで準備した」と語った。
韓国は日本戦以前の2試合で敗れたことで、チームの雰囲気が沈んでいたという。仮に日本の観客で埋め尽くされた状況で“日韓戦”が行われていたのであれば、韓国側は心理的により大きなプレッシャーを抱えざるを得なかったはずだ。
「(日本戦前までは)4カ国の招待大会が終わったと思おうとした」と笑顔を見せたリュ・ウンヒは、「日本戦からが“本番”だとチームメイトを励ました」と振り返った。
東京五輪・女子ハンドボールの組み合わせ抽選では、日本とスウェーデンを除いた10カ国をグループAとBに分けた後、開催国の日本にグループを選ぶ機会が与えられた。そこで、日本は韓国と同じグループAを選択した。
通算対戦成績を見ても絶対的な劣勢を免れなかった日本は、ホームのファンの応援を追い風に韓国とのライバルマッチでの勝利を描いた。しかし、寂しい空席に囲まれた会場で、韓国の攻勢の前に崩れた。
もっとも、カン監督は“日韓戦”勝利にも表情は優れなかった。「勝利したとはいえ、自分たちのプレーが上手く行かずもどかしい。今日は7~8ゴール差で勝たなければならなかった」とし、「選手たちの自信が足りない。“入らなくてもいいからシュートを積極的に狙え”と伝えたが、上手く行かなかった。日本戦の勝利をきっかけに、残り2試合でもっと緊張をほぐして頑張りたい」と伝えた。
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