「国技のテコンドーがどうしてこんなことに…」
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テコンドー宗主国の韓国が、東京五輪を史上初の“ノーゴールド”で終えた。
7月27日に幕張メッセで行われた東京五輪テコンドーで、女子67キロ超級でイ・ダビン(24)が銀メダル、男子80キロ超級でイン・ギョドン(29)が銅メダルを獲得した。
選手個人にとってはメダルの色に関係なく大事な結果だが、韓国テコンドー界全体としては期待された金メダリストは現れなかった。
韓国は東京五輪テコンドーで6階級に選手を送り出したが、銀メダル1枚(イ・ダビン)と銅メダル2枚(チャン・ジュン、イン・ギョドン)に終わった。男子68キロ級の世界ランキング1位で韓国テコンドーの“看板スター”だったイ・デフンも、3位決定戦で敗れ“手ぶら”で大会を終了するなど、多くの選手が東京の舞台で活躍できなかった。
韓国テコンドー“最後の自尊心”となった女子67キロ超級で世界5位のイ・ダビンは、金メダルにあと一歩届かなかった。準決勝では同階級の世界1位ビアンカ・ウォークデン(29、イギリス)を破ったが、決勝で世界3位のミリッツァ・マンディッチ(29、セルビア)に7-10で敗れた。
2014年に血液がんの一種である悪性リンパ腫と診断され、闘病生活の末に克服してみせたイン・ギョドンは、闘魂を発揮してベスト4まで進んだ。準決勝ではデヤン・ゲオルギエフスキ(22、北マケドニア)に敗れたものの、失望せず3位決定戦でイバン・トライコビッチ(29、スロベニア)に勝利し、銅メダルをもぎ取った。
韓国テコンドーは、同種目が正式に採択された2000年シドニー五輪から前回の2016年リオ五輪まで一度も欠かさず金メダルを獲得してきており、その数は12枚に上る。しかし今回、まさかの“ノーゴールド”で大会を終えることになった。
世界的にテコンドーの普及が活発となり、平準化が進むにつれて、韓国の選手は実戦感覚の低下に足を引っ張られた。
欧州の選手がオープン大会に出場していたのとは異なり、韓国の選手のほとんどは、2019年12月に行われたワールドグランプリファイナルを最後に公式戦を行っていなかった。いくら世界トップレベルの技量を持っていたとしても、練習と実践とではあまりに異なる。そこにオリンピックの舞台という重圧感も加わり、今回の屈辱につながった。
イン・ギョドンは「他国の選手は隔離期間も甘受しながら国際大会に出場した。これまで対戦したことのなかった選手が大勢出てきた」とし、「これからは韓国の選手もさまざまな選手と対決しなければならないし、新しい戦術研究もしなければならないだろう」と伝えた。
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