7月25日、「アミノバイタル®」カップ2021第10回関東大学サッカートーナメント大会の決勝が行われた。
関東2部リーグ所属の産業能率大学と関東1部リーグ所属の法政大学の決勝戦は、スコアレスのまま前後半を終え、延長戦へ。試合が動いたのは延長後半2分。産業能率大学・猪狩祐真が高い位置でプレスをかけて相手のミスを誘い、菊地大智がパスカットしボールをつなぐ。ボールを受けた小野寺亮太がドリブルでシュートコースを作って流し込み、産業能率大学が先制する。
法政大学も延長後半8分に、宮本優のクロスが相手のオウンゴールを誘って同点に追いつき、PK戦へ。11人全員が蹴ったPK戦を産業能率大学が制し、「アミノバイタル®」カップ初優勝を遂げた。
試合後、産業能率大学・小湊隆延監督は、「今年の前期のリーグ戦のことを考えたら、我々がここに立つなんて誰も考えてなかったと思う。ただ、アミノバイタルカップで自分たちの“産能らしさ”を取り戻そう、後期リーグ戦で巻き返すためのきっかけを作ろう、と学生たちがずっと頑張ってきた結果なので、彼らのことを上から目線ではなく、褒めてあげたい。逆にありがとうと言いたいし、良く頑張ってくれた」と選手を称えた。
優勝の要因について、「前期のリーグ戦が上手くいってなかった分、自分たちの課題に向き合う時間を作れた。失点数が多かったので、どうやって失点を防いでいくか、チームとしてどう守っていくか、どうやってグループで奪うのか。その課題に向き合うために、ピッチの上だけではなく、ミーティングや一人ひとりが机に向かう時間も作った。そういう学生の努力が結果に出た」と説明した。
また、「この4試合はメンタルも含めて一人ひとりが成長した。上手くなりたいとか、目の前にある試合に勝ちたいとか、そういう気持ちの部分も強く出ていた。今日の試合もそうだったが、簡単ではない試合が続いたなかで、多分めげる時間をあっただろうが、そこを乗り越えられたことは、サッカーだけではなくて、次の人生に必ず生きると思う。いつも言っていることだが、サッカーをやってきたことが、彼らの人生につながってくれたらいいと思う」と述べた。
“産能らしさ”については、「泥臭く、一生懸命、粘り強くやるのが“産能らしさ”」と説明し、「後期リーグ戦で“産能らしさ”を思い出した彼らが、躍動感を持って戦ってくれたらいい」と期待を込めた。
最後に産業能率大学の強みについて、「誰か一人に頼るのではなく、みんなが愚直にがんばれるところ。そこが本当の一番の強みだと思う」と語った。
決勝および順位決定戦の試合結果は以下の通り。
決勝
産業能率大学 1-1(延長1-1、PK9-8) 法政大学
3位決定戦
山梨学院大学 0-3 東京学芸大学
5・6位決定戦
東洋大学 3-0 駒澤大学
7・8位決定戦
日本大学 2-3(延長0-1) 流通経済大学
(文=玉 昌浩)
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