東京五輪野球韓国代表が、本日(7月26日)日本入りした。ディフェンディングチャンピオンとして臨む今大会の目標は、当然金メダルだ。
野球韓国代表は2008年北京五輪で金メダルを獲得しており、13年ぶりに正式種目として復活し今回、韓国は2連覇に挑むこととなる。
キム・ギョンムン監督と韓国代表24人は26日午前、韓国の仁川(インチョン)空港から出国。到着した成田空港では、唾液検査など入国と防疫手続きを終え、15時頃に姿を現した。
決戦の地に到着した野球韓国代表は、明日(27日)大田スタジアムで公式練習を行い、翌28日には日本体育大学で練習予定だ。そして29日に予選リーグのグループB第1戦でイスラエルと戦い、31日にアメリカと対戦する。
キン・ギョンムン監督は根気強い野球を標榜しているが、オリンピックのような短期決戦では柔軟さが重要となる。今大会を控え、韓国内で行った練習試合では、すでに変則的な野球を披露していた。
代表的な先発マウンドの運営は“1+1”だ。先発投手の調子が良ければそのまま投げさせ、少しでも悪いと思えばすぐに交代させる戦術だという。
去る23日の尚武(サンム)フェニックス戦では、右投手のウォン・テイン(21、サムスン・ライオンズ)とサイドスローのチェ・ウォンジュン(26、斗山ベアーズ)が登板し、24日のLGツインズ戦では右投手のキム・ミヌ(25、ハンファ・イーグルス)、パク・セウン(25、ロッテ・ジャイアンツ)の組み合わせをテストしていた。
そして25日のキウム・ヒーローズ戦では、サイドスローのコ・ヨンピョ(29、KTウィズ)と左投手のイ・ウィリ(19、KTウィズ)が登板。この6人の投手に加え、チャ・ウチャン(34、LGツインズ)、キム・ジンウク(19、ロッテ・ジャイアンツ)の2人を含めると、先発可能な投手は8人に達する。
また短期決戦では、“守備”が重要なポイントとなる。前述した先発陣に続き、オ・スンファン(39、サムスン・ライオンズ)、コ・ウソク(22、LGツインズ)、チョ・サンウ(26、キウム・ヒーローズ)らクローザーが控えている。左腕のキム・ジンウクは、相手打線によってワンポイントリリーフも可能な選手だ。
【関連】元阪神オ・スンファンを代表入りさせる“リスク”とは…?
投手陣を援護するバックもマルチプレーヤーが揃っている。野手13人のうち、キャッチャーのヤン・ウィジ(34、NCダイノス)、カン・ミンホ(35、サムスン・ライオンズ)、遊撃手のオ・ジファン(31、LGツインズ)、一塁手のオ・ジェイル(34、サムスン・ライオンズ)を除いた9人は、複数のポジションをこなせる。この構成だけで、相手によって流動的に対応するという監督の思惑が見て取れる。
見方によってはリュ・ヒョンジン(34、トロント・ブルージェイズ)、キム・グァンヒョン(32、セントルイス・カージナルス)のようなエース級のメジャーリーガーや、イ・スンヨプ(元読売ジャイアンツなど)、イ・デホ(39、ロッテ・ジャイアンツ)といった大砲がいない状況での最善手とも言える。
本日無事日本に入国した野球韓国代表だが、直前まで代表選手の“新型コロナ防疫規則違反”などで混乱に包まれていた。NCダイノスのパク・ミヌ(28)は、当初代表に選ばれていたものの辞退しており、この余波はオールスター戦の中止や、代表のスケジュール調整に少なくない支障を及ぼしていた。
キム・ギョンムン監督は成田空港到着後の第一声で、「言葉よりも行動で、野球ファンが涼しくなるように試合ごとに全力を注ぐ」と語った。韓国プロ野球の“コロナ騒動”を意識したのか、2連覇で野球復興に乗り出すという意志が表れていた。
さらに初戦のイスラエル戦に総力を尽くす考えを示し、「頭の中にはイスラエル戦しかない。イスラエルも総力戦で臨んでくるだろう。打者の感覚が向上するまでは、投手たちが対応し、最大限失点しないようにしなければならない。投手は守り、打者はよく打って機先を制することができるよう準備する」と述べた。
前へ
次へ