東京五輪でチームをけん引できるセッターを探さなければならない。女子バレー韓国代表率いるステファノ・ラバリニ監督の最大のミッションだ。
本日(5月25日)いよいよ開幕するFIVBバレーボールネーションズリーグ(VNL)。韓国は同日行われる中国戦を皮切りに、来月21日まで計15試合をこなす強行軍に臨む。
結果そのものは重要ではない。というのも、今大会は東京五輪の前哨戦とも言えるからだ。世界の強豪を相手にする方法を探り、オリンピック本大会での競争力を備えることが目標だ。
イタリア人のラバリニ監督を指揮官に据えたのも、オリンピックで成果を出すためだ。VNLを通じて戦力を引き上げ、強豪に勝つための解決策を講じなければならない。
加えて、韓国は学生時代のいじめ発覚で表舞台から姿を消したイ・ジェヨン(24)とイ・ダヨン(24)の双子姉妹の空白にも直面した。2人は所属チームの興国生命ピンクスパイダーズから無期限出場停止処分を受けたほか、韓国バレーボール協会(KVA)から代表資格を剥奪されていた。
それだけに、VNLは2人の穴を埋め得る選手を見つけ出す大会にもなる。
カギは主力セッターの確立だ。これまでエースを務めてきたイ・ジェヨンの空白はイ・ソヨン(26、KGC人参公社)が埋める。ラバリニ監督は、キャプテンのキム・ヨンギョン(33)とともにイ・ソヨンを主力として起用することを公言した。
イ・ジェヨンが優秀な選手であったことは間違いないが、イ・ソヨンも劣らぬ実力を持ち、キム・ヨンギョンもまだ健在なだけに、2人の活躍が期待できる。
問題はセッターだ。ラバリニ監督は2019年の就任以降、イ・ダヨンを不動のセッターとして活用してきた。イ・ダヨンはリズムに乗るのが得意な選手であり、180センチの長身を持つことから国際大会でも通用する実力があると評価されていた。彼女の空白を感じるのは当然だろう。
今回、イ・ダヨンに代わり招集されたセッターは3人。ベテランのヨム・ヘソン(30、KGC人参公社)、2020-2021シーズンのVリーグでチームを3冠に導いたアン・ヘジン(23、GSカルテックス・ソウルKIXX)、そして新鋭のキム・ダイン(22、現代建設ヒルステート)だ。
ヨム・ヘソンは経験豊富ではあるが、シーズン中に負った右手負傷から回復したばかり。VNLではコンディションや試合感覚を取り戻すことに集中する見通しだ。
アン・ヘジンは課題とされる調子の波を抑えることがカギだ。また、代表では主力級でプレーした経験がないことも弱点になり得る。
キム・ダインは昨シーズンに初めて所属チームの現代建設で主力に台頭した選手だ。シーズン後半から飛躍したパフォーマンスを、代表の舞台でも発揮しなければならない。
今回のVNLはハードな戦いが見込まれる。試合感覚が中1日しかなかったり、1日に2試合をこなしたりと、過密日程が続くためだ。
各選手の体力配分が求められるだけに、ラバリニ監督は3人のセッターをバランス良く起用しながら、それぞれの長所と短所を把握するものと見られる。
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