東京五輪不参加の北朝鮮、サッカーW杯予選の出場可否は?不参加なら韓国がグループ首位浮上か

北朝鮮が東京五輪不参加を宣言したことで、来る6月に韓国で集中開催される2022年カタールW杯アジア2次予選への参加可否に関心が集まっている。

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ただ、北朝鮮は今回、不参加の理由を「新型コロナウイルス感染症の余波」としていただけに、ワールドカップ予選に出場する可能性は極めて低いと見られる。

北朝鮮はアジア2次予選で韓国らと同じグループHに属している。すなわち、北朝鮮が予選への不参加が公式に決定した場合、今後の日程はもちろん順位にも大きな影響を及ぼすことになる。

「AFCと北朝鮮側が議論中」

グループHは現在、1位が勝ち点9のトルクメニスタンで、2位に勝ち点8で韓国(得失点差+10)、レバノン(得失点差+2)、北朝鮮(得失点差+1)が並んでいる。

韓国は他国より消化数が1試合少なく、2位グループでも得失点差で大きく上回っている。とはいえ、余裕がある状況ではない。韓国サッカー協会(KFA)関係者は「まだアジアサッカー連盟(AFC)が北朝鮮の朝鮮サッカー協会と(ワールドカップ予選)参加の可否をめぐり議論中だと聞いている」とし、「不参加が確定したわけではなく、我々も注視している」と述べた。

仮に北朝鮮が不参加となれば、順位はどのように付けられるのだろうか。KFA関係者は「その部分はAFCで別途議論が行われるだろう」と言及するにとどまった。

(写真提供=韓国サッカー協会)2019年10月に行われた北朝鮮対韓国

国際サッカー連盟(FIFA)の規定を参考にすれば、没収試合としての処理が可能だ。ただ、ワールドカップ予選は各大陸サッカー連盟で基準を設けるだけに、AFCが普遍的な「0-3の不戦敗」を適用するかは未知数だ。

まず、現時点まで各チームが4~5試合を行ったなか、北朝鮮とすでにホーム&アウェーの2試合を終えたチームもあれば、韓国のように北朝鮮との対戦を1試合残しているチームもある。

北朝鮮はトルクメニスタンに1-3で敗れたが、ほかのチームとの対戦では2勝2分と無敗を記録している。2つの勝利はホームのレバノン戦、アウェーのスリランカ戦でそれぞれ挙げた。

このため、北朝鮮に「0-3の不戦敗」を適用すれば、レバノンやスリランカだけでなく、平壌(ピョンヤン)遠征でスコアレスドローに終わった韓国としては得だ。

しかし、トルクメニスタンは損を被る。実際に北朝鮮とのホーム&アウェー2試合いずれも「0-3の不戦敗」を適用した場合、グループHの順位は勝ち点13の韓国が同じ勝ち点のレバノンに得失点差で上回り、1位に浮上する。一方、トルクメニスタンは勝ち点12で3位となる。

北朝鮮不参加なら韓国の首位浮上は確定?

それだけに、AFCが没収試合を適用する可能性は極めて低い。AFCの事情に詳しいある関係者は、昨シーズンのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)グループステージで失格処分を下されたアル・ヒラル(サウジアラビア)の事例が参考にされると予想した。

当時、優勝候補に挙げられたアル・ヒラルはグループステージの期間中、チーム内に新型コロナウイルス感染者が大勢出たことで試合出場最少人数を満たせず、それ以上ACLに参加することができなかった。

これにより、AFCはアル・ヒラルの試合成績をすべて除外した。没収試合を適用すれば得失点差でチーム間に有利不利が現れてしまうからだ。結局、AFCはアル・ヒラルを除いた残りのチーム同士の結果だけを基に順位を付けた。

となれば、アジア2次予選グループHでも北朝鮮を除く残りのチーム間の戦績だけで順位を付けたらどうか。

この場合、韓国は2勝1分(勝ち点7、得失点差+10)となり、同様に勝ち点で並ぶレバノン(勝ち点7、得失点差+4)を得失点差で上回り首位となる。また、トルクメニスタンが2勝2敗(勝ち点6)で3位、スリランカが4敗(勝ち点0)で4位と続く。

すなわち、北朝鮮が予選に出場しなければ、いかなる形であっても韓国が首位に立つものと見られる。

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