サントリーサンゴリアスがトップリーグ伝統の府中ダービーを制した。
2021シーズンのトップリーグは3月20日、レッドカンファレンス第4節の東芝ブレイブルーパス対サントリーサンゴリアスが秩父宮ラグビー場で行われ、サントリーが73-5で勝利した。
一度は13日に開催されるも、雷雨のため試合続行が不可能となり、翌週へ延期となっていた両チームの試合。どちらも東京都府中市に練習拠点を置くことから“府中ダービー”と呼ばれる伝統の一戦は、まさかのワンサイドゲームに終わった。
前半、サントリーはSOボーデン・バレットの3連続ペナルティゴール成功でリードを得ると、前半17分にWTB中野将伍のトライで14-0とその差を広げる。対する東芝がWTBジョネ・ナイカブラのシンビンによる一時退場で数的不利に陥るなか、サントリーは攻撃の手を緩めず。その後もNO8テビタ・タタフの2トライなどで得点を重ね、前半を38-0で終えた。
後半もサントリー優勢は変わらず。サントリーは開始2分のCTBサム・ケレビのトライを皮切りに、後半だけで計5トライを挙げる猛攻で、東芝に完全勝利を収めた。東芝は後半27分にラインアウトモールからマット・トッドが1トライを返し一矢報いるも、前後半通じてハンドリングエラーやペナルティによる自滅が目立ち、大差での敗北となった。
試合後、東芝のトッド・ブラックアダーHC(ヘッドコーチ)は「今日のパフォーマンスと結果は自分たちが求めてきたものではなかったが、東芝はもっとできるチームだと思っている。今日の結果から学ぶべきものを学び、次の試合に活かしたい」とし、共同キャプテンを務めるSH小川高廣は「サントリー戦に向けて良い準備はできたが、試合開始からセットプレーやペナルティから苦しい展開にしてしまい、自分たちのものを出せないまま終わってしまった。この経験を活かし、後ろ向きにならず次の試合の準備をしていきたい」と述べた。
一方、勝利したサントリーのミルトン・ヘイグHCは「今日は満足する結果を得ることができた」とし、「チーム全体的に良いパフォーマンスができていて、総合力が出た形になったと思う。これはノンメンバー含め選手たちがハードワークをしてくれた結果だと思う」と、選手の戦いぶりを称えた。
また、キャプテンを務めるCTB中村亮土も「今回の良い結果は勢いが出るチャンスだと思う。これからタフなゲームが続くが、自分たちのスタンダードをキープしつつ、伸ばせるところは伸ばし、サントリーらしいアタックを披露したい」とコメントした。
敗れた東芝は次戦、3月26日に同会場でNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと対戦。サントリーは、27日にパロマ瑞穂ラグビー場で行われるトヨタ自動車ヴェルブリッツとの全勝対決を控える。
(文=姜 亨起)
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