開幕を控えた韓国プロ野球、存続が懸かる決断に注目が集まるも様々なファクターが絡みあう現状

「中央災害安全対策本部(以下、対策本部)と持続的に協議中だ」

韓国プロ野球はファンとともに開幕を迎えられるだろうか。各球団が存続を視野に入れなければならない状況を考慮すれば、前向きな判断が必要となる。

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韓国の文化体育観光部(文体部)と韓国野球委員会(KBO)も、防疫当局の選択に神経を尖らせているようだ。

韓国では新型コロナ感染の勢いが再び増している。韓国のチョン・セギュン首相は3月17日、韓国政府ソウル庁舎で重大本会議を主宰し、「ワクチン接種は開始20日目にして62万人以上が1次接種を終えるなど迅速に進んでいるが、この勢いを維持するためには拡散傾向が安定的に統制されなければならない」とした。

続いて、「これまで経験した苦痛と犠牲が無駄にならないよう、国民もまた防疫に力を貸してほしい」と述べたている。対策本部が発表した17日0時基準の確定患者数は496人で、14日以降3日ぶりに新規確定者数400人を超えたという。

(写真=ソウル新聞)チョン・セギュン首相

なかなか掴めそうで掴めない拡散傾向のため、レギュラーシーズン開幕を控えたKBOも、刻一刻と変化しうる状況を注視しているそうだ。

五輪、政府、産業全体などのファクター

KBOのリュ・デファン事務総長はこの日、「文体部とともに、対策本部とレギュラーシーズン開幕後の入場許容規模について踏み込んだ議論を行っている。観客の立場よりも国民の健康が優先されるため、重大本意の決定によるというのが基本的」と述べた。

しかし、「無観客、もしくは入場制限を設けた状態でシーズンを行えば、球団側は大変だという話を絶えず伝えている。政府でもこうした状況を認識していると聞いている」と続けた。

2020年ポストシーズンのように観客動員が30%未満に決まれば、事実上入場収益がないも同然とされている。少なくとも40%ほどに引き上げなければならないが、新型コロナ拡散防止に注力している対策本部の立場としても、簡単には同意できない数値と言える。

距離を置いた状況で韓国プロ野球の練習試合戦を観ている観客

文体部のユ・ビョンチェ体育局長は、「対策本部が各スポーツ団体と引き続き協議している。 3月31日までの2週間は首都圏においては特別防疫対策を施行中であり、再びの拡散傾向を受け、今月中に新たな防疫段階を発表する予定であることから、プロスポーツ観衆の入場規模も同時に発表するものと期待される」とした。

球団だけでなく、球場近くの商店などのスポーツ産業全体を考慮すれば、一定水準以上の観衆が入場しなければならないということを、文体部も認知している。

五輪代表チームのワクチン接種問題も関心事だ。東京五輪が予定通り行われると仮定すれば、ワクチンの優先接種対象者に分類されるべきだという声が上がっている。

この点においてもKBOが先制的に対応することは難しい。国際オリンピック委員会(IOC)が方針を決め、各国のオリンピック委員会(NOC)に伝達しなければ対応できない状態だ。 IOCが五輪出場選手に対する防疫指針をいつ確定するかは知らされていない。

リュ・デファンKBO事務総長

KBOは試合時間短縮のルール改正を施行

一方、KBOは同日、改正されたスピードアップ規定を発表した。攻守交代時間は1分55秒となり、従来よりも5秒短縮し、交代直前から次のイニング初球を投げるまで2分以内に完了しなければならないとした。投手の交代も2分20秒以内にボールを投げなければならないなど、全体的に移動時間を短縮している。

また、監督が4分以上アピールを続ければ退場(従来は5分)処分となり、マウンドを訪れた際も30秒が経過するとベンチに戻らなければならない。

改正された新ルールは、3月20日に始まるオープン戦から適用される。

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