FWキム・スンデ(29)、FWスタニスラフ・イリュチェンコ(30)、MFモドゥ・バーロウ(28)、DFチェ・チョルスン(34)。これらは、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースが開幕戦で投入した交代カードである。
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全北現代は元々、ダブルスカッドを構築してシーズンを戦うチームだ。Kリーグはもちろんのこと、FAカップやアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でも優勝を狙っているためだ。
シーズン中には負傷者も多く発生し、体力配分のため幅広いローテーションも実施しなければならない。このため、全北現代は同じポジションに2~3人の主力級を確保している。
今シーズンもその考えに変わりはない。
前線のストライカーはFWグスタヴォ(26)、イリュチェンコ、キム・スンデで構成。ウィングにはバーロウとMFハン・ギョウォン(30)がおり、2列目のMFキム・ボギョン(31)、MF邦本宣裕(23)、MFイ・スンギ(32)は中央とサイドのどちらもこなすことができる。
MFチェ・ヨンジュン(29)、MFリュ・ジェムン(27)、MFチョン・ヒョク(34)ら中盤のバックアッパーも豊富だ。開幕戦だけ見れば、昨シーズンMVPのMFソン・ジュンホ(28、山東泰山)の空白はそこまで大きく感じられなかった。
守備陣も同様だ。センターバックはDFホン・ジョンホ(31)とDFキム・ミンヒョク(29)を筆頭に、DFク・ジャリョン(28)とDFチェ・ボギョン(32)も控えている。
右サイドバックにはDFイ・ヨン(34)が健在で、両サイドをこなせるチェ・チョルスンもいる。左サイドバックのDFイ・ジュヨン(28)はウィングまで消化可能だ。東京五輪世代のDFイ・ユヒョン(24)も、チームに適応できればチャンスを与えられるだろう。
GKソン・ボムグン(23)が守護神を務めるキーパー陣も、GKイ・ボムヨン(31)がいつでもプレーできるレベルにある。
去る2月27日のKリーグ1(1部)開幕戦でも、全北現代のパワーを感じることができた。
この日、キム・サンシク監督はキム・スンデとイリュチェンコ、バーロウ、チェ・チョルスンを交代カードに活用した。全員がKリーグ屈指のトッププレーヤーであり、他チームでは例外なく主力として活躍できる選手だ。
実際、キム・スンデは昨シーズン、レンタル先の江原(カンウォン)FCで主力として活躍。イリュチェンコも浦項スティーラースでプレーした昨シーズン、30試合に出場して22ゴール9アシストと、得点ランキング2位に入る決定力を披露した。
先発出場した選手に後れを取らない交代カードの活用で、全北現代はFCソウルを2-0で下して勝利した。特に、イリュチェンコとバーロウの投入後から攻撃のスピードと重みが蘇り、流れが全北現代に傾いた。ベンチがチームの勝利を後押しした試合だった。
ただ、これがすべてではない。今の全北現代はまだ100%ではない。2列目のエースである邦本とイ・スンギがまだ戦列に復帰していないからだ。
全北現代の攻撃を担うと言っても過言ではない2人が本格的に合流できれば、全北現代はさらに驚異的となる。
邦本は昨シーズン終盤に負った負傷から回復し、今月から本格的なリハビリに励んでいる。そのため、3月中は出場が不可能であり、キム監督は4月の出場を目標に邦本のコンディションを整えていく構想だという。
邦本はキム監督が最も信頼を置くプレーメーカーの1人だ。キム・ボギョンやイ・スンギが安定的に攻撃をリードする選手である反面、邦本はより果敢で華やかな方だ。
キム監督は前指揮官のジョゼ・モライス監督より、邦本により多くの役割を任せるものとみられる。彼が復帰する4月から、全北現代はさらに強力な攻撃力を備えることだろう。
一方、イ・スンギは近いうちに出場が可能な見通しだ。開幕戦でハン・ギョウォンが軽傷を負ったが、この穴をイ・スンギが埋めるものとみられる。イ・スンギは元々攻撃的MFだが、サイドでのプレーも可能だ。
昨シーズンのFAカップ優勝の立役者であるイ・スンギまで帰ってきたら、全北現代はバーロウのスピードを生かした爆発力ある攻撃に加え、繊細ながら創造的なチームプレーまで実現できる。イ・スンギの復帰がいつにも増して嬉しい背景だ。
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