“20世紀を代表するアジア選手”のサッカー教室が元コーチ相手に敗訴、背後には数々の不正疑惑も

2021年02月25日 サッカー

“20世紀を代表するアジア選手”と称されている韓国サッカー界のレジェンド、チャ・ボムグン元代表監督が設立したサッカー教室が、メディアに各種不正情報を提供した元コーチを相手取って損害賠償訴訟を起こすも、第一審で敗訴した。

2月24日、韓国法曹界によると、ソウル中央地裁民事30単独のキム・スンハン部長判事は、チャ・ボムグン氏のサッカー教室が元コーチを相手取り「5000万ウォン(約500万円)を支給せよ」として起こした損害賠償訴訟に、原告敗訴の判決を言い渡した。

この元コーチは、「サッカー教室に約13年間勤めたあと、退職した2015年8月から翌年2月まで退職金をもらえなかった」といった不満を吐露する書き込みを数回にわたってソーシャルメディアに掲載した。

転売など数々の不正疑惑も

2016年7月には元コーチの情報提供を受けたとある放送局が、サッカー教室の様々な不正を暴露する放送を流した。サッカー教室が元コーチをはじめとした職員たちに退職金を支給せず、無償で後援を受けた物品を会員たちに有償で販売したという内容だった。

また、チャ・ボムグン氏の自宅で働く運転手と家事手伝いの給与や賞与金を、サッカー教室から支給し、サッカー教室がソウル市漢江(ハンガン)事業本部から龍山区(ヨンサング)のサッカー場の使用を許可された時、約束より高い受講料を受け取ったという内容も含まれていた。

チャ・ボムグン氏

サッカー教室は「元コーチの退職当時、秘密漏えい、誹謗禁止を約定していながらも、書き込みをして放送局に情報提供する形で、業務上知り得た秘密を悪意的に歪曲して漏えいした」として、2019年10月に訴訟を起こしていた。

今回の裁判でサッカー教室側は「元コーチの誹謗により、サッカー教室があたかも不正の温床であるかのように大衆に認識され、社会的評価が阻害される損害を受けた」と主張。

しかし裁判所は「元コーチの書き込みの内容が虚偽だったという点について、原告(サッカー教室側)の具体的な主張や立証がない」として、請求を棄却した。

「誹謗や名誉毀損に当たらず、表現の自由の限界を脱しない」

また、「原告はユース年代のサッカー教室を運営する非営利社団法人で公的存在」とし、「元コーチによる書き込み掲示の行為が、原告の社会的評価を阻害するほどの誹謗や名誉毀損に当たらず、表現の自由の限界を脱しない」と指摘した。

放送内容についても「情報提供の内容は全体的に真実に該当し、公共の理解に関する事項であることは明らかだ」と判断した。

元コーチは2016年3月、サッカー教室を相手に退職金などを請求する訴訟を起こし、「3000万ウォン(約300万円)を支給せよ」という一部勝訴判決が確定していた。

サッカー教室は元コーチに横領の疑いがあるとして民事訴訟を起こしたが敗訴。そして元コーチを出版物による名誉毀損と横領などの疑いで検察に告訴したが、「容疑なし」として不起訴処分となった。

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