FC東京からレンタルのナ・サンホに助けられた城南FCが、早くも来シーズンの心配をしている理由

辛うじて1部残留には成功したが、さらに厳しい挑戦が待っている。

【注目】ナ・サンホが語る「Jリーグで得たもの」と「欧州進出の夢」

かつてヴィッセル神戸や京都サンガF.C.で活躍した元韓国代表MFキム・ナミルが監督として率いる、Kリーグ1(1部)の城南(ソンナム)FCの話だ。

キム・ナミル監督

今シーズンのKリーグ1最終節で釜山(プサン)アイパークに2-1で逆転勝利し、1部残留に成功した城南FCは、来る11月16日から最終練習に突入する。

2部降格という悪夢を振り払った城南FCは、シーズン終了から1週間ほど休息期間を設けた後、1年を振り返る大詰めの練習で来シーズンの構想を固める予定だ。

城南FCはシーズン終盤、攻守の不均衡で5連敗に陥ったり、監督や主力選手が退場処分を受けたりするなど、ドロ沼にハマった。それだけに、ディテールの復活とより良い未来の具体化が必須だ。

1部残留の功労者が続々…

ただ、城南FCの来シーズンの見通しは明るくない。

まず、今夏の移籍市場でFC東京から6カ月間のレンタル移籍で加入したナ・サンホ(24)がチームを離れる。

ナ・サンホはシーズンベストイレブン候補にも選出

ナ・サンホは今シーズン、後半戦からの加入にもかかわらず、チーム最多得点の7ゴール(19試合出場)を挙げる活躍を披露。事実上1人で攻撃をけん引した。

ナ・サンホの決定力がなければ1部残留はさらに困難だったはずだ。だが、そんな彼に別れを告げる苦渋の決断をクラブは下した。

城南FCの関係者も、「当然、ナ・サンホを引き留めたい気持ちはある。しかし、正直言って現在の彼の年俸を我々がカバーすることは難しい」と残念がる。現在、Kリーグでは一部の企業クラブを中心にナ・サンホ獲得競争が繰り広げられているという。

また、同じくレンタルで加入したリトアニアリーグ得点王のクロアチア人FWトミー(26)も、来シーズンはチームに同行しない見通しだ。そのため、城南FCは彼に代わる新たな外国人フォワードのリストアップを急いでいる。

トミー(右)は今季14試合3ゴールをマーク

前線だけでなく、守備陣の補強も急務だ。

城南FCの守備の要であるセンターバックのヨン・ジェウン(26)は、入隊を考慮している。今シーズン終盤、ヨン・ジェウンが退場処分によって外れたDFラインは城南FCの守備陣は脆弱さを見せた。そのため、ヨン・ジェウンに代わる即戦力級のセンターバック確保が求められている。

また、今シーズン1年契約で加入したベテランGKキム・ヨングァン(37)も未来が不透明な状況だ。キム・ナミル監督やコーチ陣は来シーズンもともにする方針を立てているが、依然衰えを見せないキム・ヨングァンには他のチームも関心を寄せている。

ヨン・ジェウン(左)とキム・ヨングァン

城南FCの関係者は「今シーズンはピンチを乗り越えたが、来シーズンはさらに厳しい挑戦となることをコーチ陣も感じている。いつになく詳細な獲得候補のリストアップを考慮している。今シーズン露呈した問題を繰り返さないためにも、早々に来シーズンに向けた練習を始動する予定だ」と明かした。

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