元中日ドラゴンズのソン・ドンヨルに並んだ韓国人投手、メジャー進出への意欲も!?

「これまで記録をできるだけ気にしないよう努めたことが秘訣のようだ。」

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韓国プロ野球・KIAタイガースのエース、ヤン・ヒョンジョン(32)が偉大な先輩と肩を並べた。ヤン・ヒョンジョンは10月13日に行われたNCダイノス戦で5.1イニングを6被安打、2与四球、5奪三振、3失点(1自責)と好投し、とうとうシーズン10勝に到達した。

8月28日のSKワイバーンズ戦でシーズン9勝を挙げた後、8試合ぶりに勝利し、個人通算146勝目を挙げた。

これは中日ドラゴンズで活躍したソン・ドンヨル投手に並ぶ記録だ。ソン・ドンヨルは1996年に韓国から日本プロ野球(NPB)の中日ドラゴンズに移籍し、1997年には当時のNPB記録である37セーブを挙げるなどの活躍を果たした。

日本では“セーブ王”の印象があるが、KIAタイガースの前身、ヘテ・タイガース所属時代(1985-1995)の11年間で通算146勝40敗132セーブ1698奪三振、完封数29、防御率1.20と素晴らしい成績を残している。

そんな偉大な先輩に勝利数で並んだわけだ。それだけにヤン・ヒョンジョンはNCダイノスとの試合後、「肩の荷がおりた。すっきりしている」と話した。

事実、記録到達までは厳しい道のりだった。ヤン・ヒョンジョンは9月5試合の平均自責点を2.76と大活躍した。しかし打線の援護不足や、リリーフ陣がリードを守れなかったことにより、その間1勝も挙げられなかった。

10月13日に行われたNCダイノス戦で通算146勝をおさめた後、取材陣のインタビューに応じるヤン・ヒョンジョン

“チームファースト”を貫くエース

そうした状況でも、彼はチームメイトではなく自身を責めた。「今シーズンはいろいろと私の力不足だった。私が投手として勝てば、その分チームの勝利数も伸びたという点で、チームに申し訳なく思う。投球イニングも昨年より減少している。記録を立てることができたが、チームメイトやファンの方々への申し訳なさがより大きい」と頭を下げた。

続いて彼は「球威は昨年と大差ない。ただ今年はボールが(ストライクゾーンの)真ん中に行ってしまい、失投が昨年よりもはるかに多くなった。より長いイニングを投げなるべきなのに、失投で大量失点する試合もあった。失投の増加が、昨年との大きな違いではないかと思う」と自身のピッチングについて振り返った。

大記録について、KIAタイガース投手としての思いを語った。韓国プロ野球史上最高の投手と呼ばれるソン・ドンヨル元KIAタイガース監督(2012-2014に指揮)と並ぶ146勝を挙げたことと関連し、「私は幼い頃からタイガース野球だけを見て育った。ソン・ドンヨル元監督と同じ勝利数を挙げられたことだけでも光栄だ。最も重要なことは、今後ケガをせず引退するまでにイ・ガンチョル元KIAタイガース監督(2005、2007-2012に指揮)の記録(152勝)を超えることだ。今日の勝利でまた一歩近づいたと思う。今後もケガすることなく、着実にマウンドに立つ努力する」と誓った。

大記録達成の秘訣を尋ねると、「これまで記録をできるだけ気にしないよう努めたのが秘訣のようだ。可能な限り多く出場し、多く投げようとしただけだ。その後、記録は自然とついてくると思った」とし、「まだプレーできる日が残っていると思うので、今後もケガをせずにマウンドに立つことが目標」と述べた。

ヤン・ヒョンジョンがまだ全盛期であることを考慮すると、イ・ガンチョル監督の持つ152勝の記録は、十分に射程圏内といえる。あと6勝すると152勝タイ、7勝すれば本人が夢見たKIAタイガース最多勝投手となる。

さらなる大記録への挑戦時期は?

ところが例外もある。アメリカメジャーリーグ(MLB)スカウトが、まだヤン・ヒョンジョンを注視していることがわかった。2019年にセントルイス・カージナルスへと移籍したキム・グァンヒョン投手の成功により、ヤン・ヒョンジョンへの関心が高まったのかもしれない。自身も今シーズン終了後、フリーエージェントでのメジャーリーグ進出に意欲を隠さなかった。

ヤン・ヒョンジョンは「来シーズン最多勝を目標にしていますか?」という質問に、しばらくためらい、「まだ来シーズンの話をするのは時期尚早だ。だが、タイガース最多勝記録は来年でなくても引退する前には必ず達成したい。引退したとき、イ・ガンチョル監督の記録を超えた選手となるのが目標だ」と答えた。

メジャーリーグ進出後、韓国に戻ってきての152勝を見据えているということだ。

最後に「これまでの家族に感謝している。私よりも多くの苦労をかけ、気苦労もさせている。常に家族に対して申し訳なさもあるし、感謝もしている」とし、「家族の応援のおかげで今回の記録も達成できた。もう一度家族に感謝を伝えたい」と家族への感謝の気持ちを述べた。

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