韓国代表MFイ・ガンイン(19)とバレンシアの間に異常な気流が流れている。
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スペイン現地の各メディアは、欧州サッカー夏の移籍市場最終日である10月5日(日本時間)にイ・ガンインがサプライズ移籍する可能性を言及した。
イ・ガンインとバレンシアの決別の可能性が報じられたのは、第5節レアル・ベティス戦(0-2でバレンシア敗戦)を前日に控えた去る10月3日のことだ。
『スーペルデポルテ』は「イ・ガンインがバレンシアとの契約更新に対しさまざまな疑問を抱いている」とし、「バレンシアとの再契約を拒否したフェラン・トーレスと似た状況になる可能性がある」と伝えた。イ・ガンインと同じくバレンシアユース出身のU-21スペイン代表FWフェラン・トーレス(20)は、バレンシアとの契約延長を拒否し、去る8月にマンチェスター・シティへと完全移籍していた。
今シーズン開幕前、イ・ガンインは他チームへの移籍を決心していたが、バレンシア側から出場時間の確保や最適ポジションでの起用の保障などを約束され、残留を決めた。実際、レバンテとの開幕戦では先発メンバーに名を連ね、シャドーストライカーとして2アシストの活躍を披露した。
だが、第2節セルタ・デ・ビーゴ戦は前半45分間のみプレーし、第3節ウエスカ戦では後半途中出場からわずか5分程度の出場に終わった。去る9月29日のレアル・ソシエダ戦は再び先発に返り咲き、70分間プレーしたが、以前同様チーム内での立場が不安定な状況に追い込まれた。
ほかにも、セルタ戦ではフリーキックのキッカーをめぐってチームメイトと言い争う場面もあった。
昨年、U-20ワールドカップで韓国代表を準優勝に導き、自身もゴールデンボールの栄光を手にしたイ・ガンインは、大会直後に各国リーグのビッグクラブからオファーが届いた。しかし、バレンシアが当時イ・ガンインに長期的なビジョンを提示したため最後は残留に落ち着いたが、現実は違った。
イ・ガンインは昨シーズン、公式戦通算24試合に出場した。だが、先発の機会を得たのはわずか6回に過ぎなかった。比較的小柄な東洋人選手に対する偏見と、差別的なチーム文化も彼の障害物だった。
そして、2020-2021シーズン開幕前に自身を望む他国リーグのクラブへ移籍することを決心したイ・ガンインを、バレンシアはまたも甘い提案で捕らえた。ハビ・グラシア新監督も、イ・ガンインの重用を予告したこともある。
序盤はもっともらしく見えたが、徐々に縮まる出場時間にチーム内“いじめ”も重なり、イ・ガンインは再び暗いトンネルに閉じ込められることになった。
スペイン現地メディアも、イ・ガンインのチーム内での不安定な立場とともに、仲間に尊重されていない現状を指摘している。
バレンシアはアジア市場で価値を発揮するイ・ガンインをチームに残したがっている。
2022年までバレンシアとの契約を結んでいるイ・ガンインについて、『スーペルデポルテ』は「フランス、イタリア、ドイツのクラブからオファーを受けた」とし、「バレンシアは依然としてイ・ガンインとの再契約に注力しており、2025年まで延長するために交渉している」と話した。
地元メディア『デポルテ・バレンシアーノ』は、「イ・ガンインは開幕節のレバンテ戦を除き、(他の試合では)大きく貢献しなかった。とはいえ、欠点なくチームの攻撃を上手くリードしているのも事実だ」とし、「(現状について)チームを離れることも選択できる。移籍市場の締め切りまで(イ・ガンイン移籍の可能性を)排除することはできない」と強調した。
イ・ガンインはバレンシアとの“駆け引き”に疲弊しているかのように見える。トップチームの舞台でプレーすることを何より望んでいる彼としては、最大限安定的な出場時間が保障されたチームで、経験を積み上げることが最優先にしたいことだろう。
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