ベールを脱いだ“ロボット審判”…韓国プロ野球2軍の試合に登場「期待以上だ」

「安定性と判定の一貫性は期待以上だ」

韓国プロ野球で導入が期待されている“ロボット審判”が、ついにベールを脱いだ。8月4日、京畿道のLGチャンピオンズパークで行われたLGツインズとハンファ・イーグルスのフューチャーズリーグ(2軍)の試合で、ストライクゾーン判定システムであるロボット審判が初めて登場した。

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競技場に設置された3台のカメラが投球軌跡を追跡し、事前に測定されたグラウンドの位置情報をもとにストライクゾーン通過時のボールの位置を判断して、ストライクやボールなどの判定を下す。

ボールの追跡結果は、アプリケーションを通じて主審にリアルタイムで送られる。

想像以上の“一貫性”、審判にもプラス効果

実際に使ってみたことで、長所と課題が明確になった。

(写真提供=KBO)ロボット審判のコンピュータープログラム

韓国野球委員会(KBO)関係者をはじめ、審判、選手団のいずれも満足度が高かったのは“一貫性”の部分だ。

現在のKBOリーグの審判システムでは、ストライクゾーンが毎回異なるとの指摘が相次いでいる。上下は厳しい代わりに、左右は広くとらえられ、選手たちが国際大会で適応できないケースも散見され、シーズン中も議論が少なくなかった。

KBO関係者は「カメラシステムをベースにしており、エラーが少なく安定性が高い。普通、1試合に130球ほど投げられるが、130球すべてが同じゾーンに適用される点が長所だ。審判も余計な気を使わなくなるため、スムーズな試合の運用が可能だった」と述べた。

精度も合格点を受けた。投球前に打者の身長など、打者別の打撃姿勢が反映されたストライクゾーンの高さが設定される。打撃姿勢に応じた微細な変化も適用され、打撃姿勢が変わるとモニター要員が再調整する。

KBO関係者は「最も技術力のある会社で体系化したシステムだ。ひとたび選手の入力値が適用されれば、安定した利用が可能」と付け加えた。

課題は判定速度…1軍での導入は?

課題は、判定速度だ。

ロボット審判がストライクやボールの判定を下すためには、1.9~2秒ほどかかる。すぐに判定が出る現在のシステムと異なり、判定までにタイムラグが生じる。

(写真提供=KBO)審判がロボット審判の判定のためのデバイスを装着している

KBO関係者は、「ダイナミックに判定が下されなかった。メーカー側は1秒以下に短縮することができると言っていた。現在は、安定した運用に最適化されており、時間はかかるが、ストライクゾーンと変化球の判定は完璧という段階。判定までの時間を減らしていくことが、最大の課題」と述べた。

では、1軍の試合に導入される時期はいつ頃になるか。

KBOは今後2年間、フューチャーズリーグで検証し、早ければ2022年頃を導入時期と見通している。今季8~9月に予定されているフューチャーズリーグでは、約20回、ロボット審判を使って試合を行う予定だ。安定期に入れば、2021シーズンのフューチャーズリーグ後半戦にまで拡大する可能性もある。

KBO関係者は「今シーズン(2軍の試合で)試験的に使った後、審判、選手団の意見を集めて検修作業を行う。信頼できそうなデータが作られれば、2021シーズンにはフューチャーズリーグで拡大導入が可能だ。現在、計11球団があり、すべてに導入した後も問題がない場合は、オールスターゲームをはじめ1軍のリーグでも、ロボット審判の姿を見ることができるだろう」と予想した。

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