イ・ボミよりも13歳若い「元スーパー中学生」が優勝。来日経験もあるユ・ヘランとは?

2020年08月04日 ゴルフ #韓国女子ツアー

先週末、韓国女子ツアーの国内第9戦となる「済州サンダースマスターズ」(賞金総額8億ウォン=約8000万円)が行われた。

同大会にはイ・ボミ、イ・ミニョン、ぺ・ソンウら日本女子ツアー勢をはじめ、米国女子ツアー勢も多数出場。世界ランク1位のコ・ジンヨン、3位のパク・ソンヒョン、6位のキム・セヨン、10位のキム・ヒョージュ、11位のパク・インビ、13位イ・ジョンウン6、14位のユ・ソヨンなど、文字通りトップ選手が勢ぞろいしたことで多くの注目を集めた。

【写真】ノースリーブ姿のイ・ボミも!日米のスター選手集結

ただ、世界ランク1位のコ・ジヨンヨンは通算10アンダーで20位タイ、パク・インビ、ユ・ソヨン、ペ・ソンウは通算11アンダーで15位タイ。イ・ボミも今季最高の9位タイでフィニッシュしたが、通算13アンダーで優勝には届かなった。

優勝したのは、大会前にイ・ボミや前述した米国ツアー勢たちと肩を並べていたルーキーのユ・ヘランだ。初日から「65」で首位に立つと、「67」(2日目)、「65」(3日目)、「68」(最終日)をマークし、通算23アンダーで優勝した。

韓国女子ゴルフ界の元「スーパー女子中学生」

ユ・ヘランは2001年3月生まれでまだ19歳。「パク・セリキッズ」とも呼ばれるイ・ボミやパク・インビが1988年生まれなので、彼女たちよりも13歳若い。小学1年生からクラブを握ったそうなので、イ・ボミやパク・インビがプロになった頃にゴルフを本格的な始めたことになる。

ただ実はこのユ・ヘラン、数年前までは“スーパー女子中学生”として有名だった。

(写真提供=KLPGA)「済州サンダースマスターズ」を制したユ・ヘラン

2014年にはKLPGA会長杯優勝、2015年には「エビアン・チャンピオンシッブ・ジュニアカップ」優勝など、国内外のアマチュア大会で数多くのタイトルを総ナメにし、2016年1月には中学生ながら一年間にわずか8人しか選ばれない韓国代表にも選ばれている。

その年5月には「全米女子オープン韓国地域予選」で優勝し、アマチュアとして「全米女子オープン」にも出場。7月には「サマンサタバサ・ガールズコレクション・レディーストーナメント」に招待選手として来日もしている。

その後、アマチュア3年間で優勝10回。2018年のジャカルタ・アジア大会ではチーム最年少ながら団体銀メダルに貢献した。

2019年5月からプロ転向し、最初は韓国女子ツアーの2部にあたるドリームツアーを戦ったが、2019年の「済州サンダースマスターズ」には推薦枠で出場して優勝していた。つまり、まだ19歳なのにタイトル防衛、2連覇である。

「ルーキーがディフェンディングチャンピオンとして出場することも、連覇することも珍しいことだと聞いていましたが、やり遂げることができて光栄です」(ユ・ヘラン)

若くて強い「女子プロゴルフ・ミレニアム世代」

それにしても韓国女子ゴルフ界の若返りは、本当に著しい。

2018年には新人王と年間MVP、2019年には年間MVP、最多勝(5勝)、平均ストローク賞(70.47打)、人気賞、ゴルフ担当記者が選定するベストプレーヤートロフィー、そして賞金女王と6冠に輝いたチェ・ヘジンは1999年生まれの21歳。

(写真提供=KLPGA)チェ・ヘジン

チョ・アヨン、イ・スンヨン、イム・ヒジョンら昨季はルーキーながら優勝して“ミレニアム世代”旋風を巻き起こした彼女たちは2000年生まれ。“遅れてきたミレニアム世代”パク・ヒョンギョンは、今季すでに2勝を挙げている。

それに続く形で今度は19歳のユ・ヘランが、日本ツアー勢や米国ツアーで活躍する実力者たちをはるかに上回るスコアで優勝してしまったのだ。

イ・ボミ、パク・インビ、申ジエ、キム・ハヌルら「88年世代」も、コ・ジンヨン、パク・ソンヒョン、キム・ヒョージュら米国ツアー勢も気が引き締まる思いだろう。

韓国女子ゴルフ界の世代交代からは今後も目が離せそうにない。

(文=慎 武宏)

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