昨季までダルビッシュ有や松井祐樹と共闘したタンパベイ・レイズの韓国人野手キム・ハソン(29)が苦しんでいる。当初は今季終了後のFA移籍が予想されていたが、相次ぐ故障と欠場によって挑戦を見送りする可能性が高まっている。
2024年までサンディエゴ・パドレスに在籍したキム・ハソンは、今季開幕前にレイズと2年総額2900万ドル(日本円=約42億円)で契約した。2025年は1300万ドル(約19億円)、2026年は1600万ドル(約23億円)が保証されている。
契約にはオプトアウトが付いており、来季終了後に行使することでFA市場に再挑戦できる。昨季もパドレスとの契約延長オプションを拒否してFA市場に出ており、肩の故障を抱えながらも良い条件を引き出し、レイズと契約を結んでいた。
しかし、今季は状況が異なる。リハビリが遅れて復帰が7月にずれ込み、同月5日にシーズン初出場を果たしたと思えば、今月22日に腰痛で再び故障者リスト入り。結果として今季の出場はわずか24試合にとどまっている。
打撃成績以前に、出場試合数の少なさ自体が市場価値を大きく下げている。『MLB.com』も「負傷でほとんどプレーできなかったシーズン。FAに出る動機は小さい」と分析する。
レイズはスモールマーケット球団らしく、FA権を控えた選手を早めにトレードして将来の有望株を確保する運営をしてきたが、コンディションが不安定なキム・ハソンはその対象にもなりにくいと見られる。結果的に、2026年まで球団と「不本意な同居」を続ける可能性が高い。
チーム状況も厳しい。遊撃手ではすでにテイラー・ウォールズが安定した働きを見せており、トッププロスペクトのカーソン・ウィリアムスも順調にメジャー適応を進め、次のレギュラー候補に浮上している。高額契約で迎えたキム・ハソンにわざわざ出場機会を与える理由が薄れつつある。
ただ、不確定要素もある。二塁手を務めるブランドン・ロウの去就だ。
ロウには来季1150万ドル(約17億円)の球団オプションが残っているが、オールスター経験こそあれど故障が多いことから、球団が支払いを負担に感じる可能性もある。
仮にレイズがロウを手放す場合、キム・ハソンが2026年に二塁手のレギュラーとして起用される可能性があると『MLB.com』は見通している。
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