ロサンゼルス・ドジャースの韓国人内野手キム・ヘソン(26)が、“代走”として圧倒的な存在感を発揮した。
キム・ヘソンは3月11日(日本時間)、米アリゾナ州グレンデールのキャメルバック・ランチで行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックスとのオープン戦で途中出場し、1打数1安打2得点1盗塁の活躍を見せた。
5回裏、3-1とリードした場面でテオスカー・ヘルナンデス(32)の代走で登場したキム・ヘソンは、俊足を生かして盗塁に成功。さらには暴投の間にホームまで帰還し、得点を記録した。
7回裏には先頭打者として打席に立つと、左前安打を記録。オープン戦2試合連続で安打を放ち、打率を0.222まで上げた。その後も暴投の間に二塁へ進むと、ハンター・フェドゥシア(27)の二塁打でホームインし、2得点目を挙げた。
キム・ヘソンの最近の活躍は、レギュラー争いが熾烈なドジャースにとって価値のある結果になるかもしれない。
ドジャースは正二塁手だったギャビン・ラックス(27)をトレードでシンシナティ・レッズに放出したことで、キム・ヘソンがレギュラーとして起用される可能性が高まった。しかし、オープン戦序盤は打撃不振に苦しみ、1割台の打率に低迷。マイナー行きの可能性まで取り沙汰されていた。
今月2日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦でオープン戦初本塁打を放ち、復調の兆しを見せたとはいえ、安定した打撃を維持できず、その立場は危うくなっていた。
しかし、今回のダイヤモンドバックス戦では代走としての活躍、さらには複数ポジションを守れる強みが再評価される形となった。
キム・ヘソンの契約にはマイナー拒否権が含まれていない。そのため、球団から通告された場合は無条件でマイナー降格を受け入れなければならない。彼には開幕ロースター入りとマイナー行きの分岐点となる「最後の試験」が待ち構えている。
ドジャースは12日、クリーブランド・ガーディアンズとのオープン戦最終戦を戦う。この試合は、「MLBワールドツアー・東京シリーズ」参加を目指すキム・ヘソンにとって事実上最後のテストと言える。
ドジャースのMLB開幕戦は、18~19日に東京ドームで行われるシカゴ・カブスとの2連戦だ。キム・ヘソンが開幕ロースター入りできるかどうかは、ガーディアンズ戦でのパフォーマンス次第となる。
アメリカ現地メディアも「キム・ヘソンはオープン戦で最も印象的な選手の1人だ」と評価し、開幕ロースター入りの可能性に言及している。
キム・ヘソンの最大の武器は俊足とユーティリティ性だ。ダイヤモンドバックス戦でも盗塁と機動力を生かしたプレーで得点を挙げ、存在感を示した。最後の試験を控えたキム・ヘソンが東京行きの飛行機に乗ることができるのか、注目が集まる。
前へ
次へ