新型コロナウイルスの対応で模倣的な国と認められつつある韓国が、野球においても羨望の的となった。
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かつては感染者が急増し、韓国でプレーするプロバスケやバレーの外国人選手たちが韓国を脱出していたが、逆転現象まで起きている。透明性の高い防疫、検疫システムが確立されたコロナ対応マニュアルに沿って、韓国プロ野球KBOリーグの各球団は、ホーム球場でチーム内の紅白戦をはじめとしたトレーニングを行っている。
その様子は、野球の宗主国であるアメリカでも想像できなかったようだ。
メジャーリーグ(MLB)を代表するコラムニストの1人、ジョン・ヘイマンは3月22日(日本時間)、SNSを通じて「韓国は野球をしている。韓国は私たちが憧憬すべき何かを示している」と伝え、羨ましいという思いを隠さなかった。
アメリカでは現在、野球はおろか、まともな生活すら不可能な状態だ。ドナルド・トランプ米大統領が国家非常事態を宣言した後、10人以上の集まりを自制するよう勧告された。公共施設が一斉に閉鎖され、都市間の移動も制限された状態だ。
コロナ感染者が発生した初期から感染者と動線、検査過程などをリアルタイムですべて公開した韓国は、ある程度まで制御可能な範囲内での感染防止に熱を上げている。小規模な集団感染だけを減らせれば、安定的に状況を打開できそうな雰囲気まで出てきている。
両国の対応の違いは、プロ野球の運営機関でもそのまま表れている。
KBOリーグは先制的な対応に踏み切った。各球団が春季キャンプを終える前に、オープン戦の中止を断行し、シーズン開幕も延期した。チーム間の交流を禁止させ、熱感知カメラやレーザー体温計などを準備し、選手団と関係者の出入りを積極的に制御した。
SKワイバーンズやNCダイノス、キウム・ヒーローズなどの球団では、協力会社の関係者が感染の判定を受けたり、選手が疑わしい症状を示したりすると、すぐにすべてのトレーニングを中止にするなど、初動措置をいち早く実施した。
幸いなことに3月22日現在、韓国プロ野球で感染者はゼロの状態を維持している。
一方、MLB事務局は、後手の対応で事態を悪化させたという批判を受けている。
去る3月13日にアメリカプロバスケットボール(NBA)でコロナ感染者が報告されてから、スプリングキャンプとオープン戦の中断を宣言したが、その後にニューヨーク・ヤンキースのマイナーリーグ選手やシンシナティ・レッズ球団職員が感染の判定を受けた。
当初MLB事務局は、選手たちがスプリングキャンプで集団トレーニングすることを許したが、感染者が出てくると練習施設を閉鎖した。
瞬く間に野球が中断され、リュ・ヒョンジン(トロント・ブルージェイズ)をはじめとする韓国人メジャーリーガーたちは、仕方なくアメリカに残り、いつになるかわからない開幕戦の準備をしなければならない状況だ。なかでもチェ・ジマン(タンパベイ・レイズ)は帰国を決めた。
MLB関係者は、早ければ5月末に野球ができると展望している。
韓国とアメリカの状況が逆転すると、3月初めに故国に帰った外国人選手たちも、早期に韓国に戻ることを決めた。
LGツインズでは、3月22日に韓国に戻ったタイラー・ウィルソン(アメリカ)をはじめ、3月25日まで外国人選手3人が全員、韓国に帰国する。KTウィズの外国人選手たちも3月23日から、キウム・ヒーローズの外国人選手たちも3月27日に一斉に韓国に戻る予定だ。
彼らはKBOの指針に従って、空港から特別入国手続きに沿った検疫調査に取り組んだ後、宿泊施設に移動してコロナの検査を受ける。
検査で陰性判定が出れば、選手団に合流することができる。アメリカで足止めされ、カナダに戻ることができないリュ・ヒョンジンとは対照的だ。
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