ジョゼ・モウリーニョ監督に勝利を呼ぶ“青い鳥”、ソン・フンミン（トッテナム）がピッチ復帰に向けて始動した。
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英ロンドンの地域紙『イブニング・スタンダード』や『フットボール・ファンキャスト』などは3月17日（日本時間）、「トッテナムはロンドンのチームでは唯一、通常のトレーニングを行っている」とし、「（怪我で離脱した）ソン・フンミンが練習場に戻る準備を終えた」と報じた。
去る2月16日のアストン・ヴィラ戦で右腕骨折し、韓国に帰国して手術を受けたソン・フンミンは、3月初めにロンドンに戻って2週間の自己隔離に臨んだ。
英メディアによると、ソン・フンミンは来週にも練習場に復帰し、リハビリに集中しながら少しずつコンディションを引き上げる予定だという。
新型コロナウイルスの影響で、欧州5大リーグが中断された。イングランド・プレミアリーグ（EPL）も4月3日まで中断される。
ただ、欧州内における感染が急増していることから、中断期間はさらに伸びるだろうとの見方が支配的だ。
何よりも欧州サッカー連盟（UEFA）が緊急会議を通じて、来る6月を予定していたUEFA欧州選手権（ユーロ2020）を1年延期すると発表したことで、主要リーグは若干の余裕を持って残りのシーズンを行うことになるとみられている。
プレミアリーグも、もともとのリーグ終了時点である5月に限らず、6月までリーグ期間を広げることができる。
右腕の負傷で今季絶望の可能性まであったソン・フンミンにとっては、今シーズンの出場機会が増える見通しだ。
彼は3年前にカタールとのワールドカップ予選で右腕を骨折したのだが、今回の怪我も同じだ。3年前は骨折から2カ月でピッチに復帰したが、今回は以前怪我した部位であるため、復帰までには細心の注意が必要といえる。
世代別韓国代表の主治医を経験したチョン・テソク博士（第一整形外科スポーツ医学センター長）も、「ソン・フンミンの復帰時点について8週間という話が出ているようだが、骨折した骨が完全につくには、通常12週間以上が必要」とし、「選手自らが復帰を検討することもできるが、骨癒合（骨折の修復を促進する増殖性の生理学的プロセス）がなされていない状態で運動すると、無理がかかる可能性がある」と述べた。
当初は残りの試合をプレーできたとしても、5月末の1～2試合程度と予想された。
しかしリーグ再開が4月中旬以降に先送りになると、残り8試合のうち、少なくとも半分以上を消化できる可能性も考えられる。
今年の初めに負傷離脱した“主砲”ハリー・ケインも練習場に復帰したなかで、ソン・フンミンまで加われば、トッテナムにとって起爆剤となるだろう。
モウリーニョ監督体制となった後、トッテナムはソン・フンミンとケインが出場しなかった6試合を1分5敗としており、たった1勝もできなかった。最近、ソン・フンミンが負傷離脱した後に行った6試合でも、2分4敗と不振を見せた。
いつの間にかリーグ順位も8位（勝ち点41）に落ちた状態で、次期シーズンのチャンピオンズリーグ進出のためのボーダーライン（リーグ4位以上）である4位チェルシー（勝ち点48）とは勝ち点差7だ。
エースが正常に復帰するための時間が稼げれば稼げるほど、トッテナムの追撃が可能となる。
個人的な目的を踏まえたときも、ソン・フンミンには明確な目標がある。
負傷離脱で可能性が下がっていた、EPL 4シーズン連続の二桁得点に挑戦できるようになった。ソン・フンミンはトッテナムに入団した2年目の2016-2017シーズンに14ゴールを記録すると、2017-2018シーズンと2018-2019シーズンに12ゴールずつ決めた。
今シーズンはEPLで9ゴール（21試合）を記録しているが、もしコロナによる中断がなければ、二桁得点を完成させることが容易ではなかった。
不幸中の幸いだ。現在の状況は、ソン・フンミンに有利に流れている。
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