あまりの活躍に「宇宙人説」が出るほどだ。本当にクリプトン星からやってきたのかもしれない。
大谷翔平(30、ロサンゼルス・ドジャース)はこの4日間、ソーのようにグラウンドに雷のような驚きを与えた。“二刀流”の肩書を引っ提げてメジャーに参戦した当時から優れた選手であることは知っていたが、現在の姿はさらに驚異的だ。
MLBスーパースターの大谷は、直近4試合で打率0.778、5本塁打、13打点、6盗塁という信じがたい記録を立てた。それも「50-50」を達成したうえでの成績だ。
大谷は去る9月20日のマイアミ・マーリンズ戦でいつものように「1番・指名打者」で出場し、6打数6安打、3本塁打、2盗塁、10打点を記録した。
当時は試合前まで「48-49」だったが、この日の活躍で「50-50」を越えて「51-51」を達成した。140年以上続くMLBの歴史の新たなレジェンドとして刻まれた試合だった。
大きな難関と思われた「50-50」を突破した後、大谷の勢いは多少落ち着くと見られた。
しかし、そんな小さな懸念(?)までも大谷は打ち破った。むしろ、これまでの負担を払しょくしたかのように、さらに“暴走”を始めている。
21日のコロラド・ロッキーズ戦で本拠地ドジャー・スタジアムに戻ってきた大谷は、ホームファンの前で本塁打と盗塁を一つずつ追加し、「52-52」まで記録を伸ばした。5回の3打席目で52号本塁打を描いたが、高めのボール球を見事に捉えてフェンスを越すという凄まじいパワーと技術を披露した。
22日のロッキーズとの第2戦では本塁打こそなかったが、“足”は依然として忙しかった。1試合で3出塁を記録し、1盗塁を追加した。「55-55」に向けた電光掲示板に「52-53」が映った。
そして23日、ロッキーズとの第3戦で再び爆発した。5打数4安打、1本塁打、2盗塁、2得点の大活躍を見せた。同日、9回の劇的な同点本塁打と2盗塁によって「53-55」まで数字を伸ばした。
これにより、待望の「55-55」まで本塁打2本のみを残すことになった。
この4日間で“大爆発”した大谷は、4試合の打率が7割という驚異の的中率を基に5本塁打6盗塁を積み立て、MLBの歴史を新たに塗り替えてみせた。もはや「55-55」を越えて「60-60」まで期待させるほどの活躍。実際は地球ではなく、どの惑星の出身なのか気になるほどだ。
何より、この過程で大谷はシーズン打率が3割に復帰し、32回連続で盗塁に成功した。56盗塁に到達すれば、イチローがシアトル・マリナーズ時代の2001年に打ち立てたメジャー日本人選手最多盗塁記録と並ぶ。
大谷の盗塁成功率は93.2%に達する。59回試みて55回成功した。失敗はわずか4回だ。止まることを知らない大谷の足は、あと6回だけ盗塁に成功すれば、1975年にデイビー・ロペス氏が打ち立てたドジャースの連続盗塁成功記録「38」とも肩を並べることになる。
大谷の24日時点の成績は、153試合出場で184安打、53本塁打、55盗塁、123打点、128得点、打率0.301、OPS(出塁率+盗塁率)1.023だ。
大谷の宇宙人並みの活躍には、号外を撒く日本メディアはもちろんのこと、アメリカ現地メディアも驚きを隠せない様子だ。『ワシントン・ポスト』は「ごめん、ベーブ・ルース。ごめん、ウィリー・メイズ。大谷が野球のGOATだ」、『ロサンゼルス・タイムズ』は「大谷は別次元の偉大さに到達した」と報じ、注目している。
ドジャースの今季レギュラーシーズン残り試合は6試合だ。25日から始まるサンディエゴ・パドレスとの3連戦、そしてロッキーズとの3連戦のみとなっている。
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は23日のロッキーズ戦で逆転勝利を収めた後、大谷について「人間のようには見えない」と話した。
「クレイジーモード」の大谷が、人間の仮面を被ったまま残り試合で限界を越え、どれだけの境地に辿り着くことができるか期待せざるを得ない。
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