日本で「終戦の日」と呼ばれる8月15日は、韓国で「日本の植民地支配から解放されたことを祝う日」として「光復節(クァンボクチョル)」とされるが、韓国プロ野球で「光復節に日本人投手が登板してはならない」という荒唐無稽な抗議がなされた。
現役時代に巨人などで活躍し、現在は斗山(トゥサン)ベアーズの指揮を執るイ・スンヨプ監督は8月14日、蚕室(チャムシル)球場で行われるロッテ・ジャイアンツ戦に先立ち、「明日(15日)はチェ・ウォンジュンが登板する。登板間隔は守ることにした。白川は一日さらに休み、16日に登板する」と明らかにした。
続けて、「土曜日(17日)はクァク・ビンが登板し、日曜日(18日)はチェ・スンヨンが登板する。チェ・ウォンジュンの場合、蚕室での登板と水原での登板とで異なる。投手コーチがかなり悩んだ」と付け加えた。
14日の先発はジョーダン・バラゾビック(25)だったが、斗山の先発ローテーションの順番では、15日は本来、日本人投手の白川恵翔(23)が登板すると見られた。前回の登板は今月8日のLGツインズ戦だったため、そこから中6日での登板となるはずだった。
ところが突然、予想外の事態が発生した。「光復節に日本人投手が登板してはならない」という抗議が出たのだ。あまりに突拍子もない出来事に、斗山も困惑するしかなかった。
例え光復節だとしても、日本人投手の登板を抗議するのはおかしな主張だ。
実際、過去には門倉健がSKワイバーンズ(現・SSGランダース)所属で2009年8月15日のハンファ・イーグルス戦で先発登板したことがある。当時は6回1失点と好投し、勝利投手となった。
また、岡本信也もLGツインズ時代、2010年8月15日のネクセン・ヒーローズ(現キウム)戦でリリーフ登板している。
当時は大きな問題も論争も起きなかったが、今回に至っては白川の登板に不満を持った人が積極的に動いた模様だ。抗議する人のなかには、「光復節に日章旗がかかってはならない」という意見もあった。
結局のところ、白川が15日に登板することはなくなったわけだが、抗議とは別に斗山のコーチ陣はそもそも先発ローテーションに苦心した。
まず、チェ・ウォンジュン(29)のルーティンを守ることが最善と判断し、15日に登板させることで決定。その後、KTウィズとのビジター3連戦では、白川、クァク・ビン(25)、チェ・スンヨン(23)を登板させることに決めた。
KTとのビジターゲームでチェ・ウォンジュンの成績が良くない点も考慮した。今季は一度登板しているが、5回5失点を記録。勝利投手とはなったが、残念な内容だった。
通算でも10試合(先発6回)で1勝2敗、防御率6.44と苦戦している。
そのため、ルーティンを守りつつ、慣れたホームで登板した方が良いと判断した。これにより、自然と白川の“光復節登板”の可能性は消滅した。
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