韓国の行政機関「文化体育観光部」が渦中の韓国バドミントン協会に対して本格的な調査に着手する。
文化体育観光部(文体部)は8月12日、アン・セヨン(22)がパリ五輪・バドミントン女子シングルスで金メダル獲得直後に放ったバドミントン協会への“苦言”について、同日より調査に着手すると発表した。
文体部はすでに6日、報道資料で「アン・セヨン選手のインタビューに関して経緯を把握する」とし、「オリンピックが終わり次第、正確な事実関係を把握し、その結果により適切な改善措置の必要性を検討する予定」と明らかにしていた。
先立って5日、世界ランク1位のアン・セヨンはパリ五輪・バドミントン女子シングルス決勝戦で、同9位の何冰娇(中国)を2-0(21-13、21-16)で下し、金メダルを獲得した。
しかし、試合直後には、選手の怪我の管理、トレーニング支援、協会の意思決定体系、大会出場などに対する協会の問題点を指摘し、世間に衝撃を与えたのだった。
アン・セヨンは1996年アトランタ大会のパン・スヒョン以来、28年ぶりの五輪女子シングルス金メダリストとなったことで、バドミントンファンのみならず国民の関心が集中することとなった。
今回、調査実施を発表した文体部は、2024年時点で協会に71億2000万ウォン(約7億7000万円)もの補助金を支援している。調査は、文体部管轄の非営利法人の設立および監督規則に伴う事務検査と、補助金管理法などに伴う補助事業遂行状況点検の法的性格を持つ。文体部は、アン・セヨンがインタビューで言及した内容を重点的に調査する。
文体部が調べる主な制度改善事項は、第一に国家代表選抜過程の公正性、訓練と大会出場支援の効率性だ。また、バドミントンを含む大多数の種目で明確な規定はないが、慣行上禁止されている個人トレーナーの参加の必要性も調べる。第二に協会のスポンサー契約方式が、協会と選手の間でバランスが取れているかという点、第三に選手の国際大会出場制限制度の合理性。第四に、選手の年俸体系に不合理な点がないかだ。
文体部は「今回の調査では、単純に“協会が選手管理を適切にしたか”を確認するのではなく、これまで提起された様々な懸案に対して意見を十分に取りまとめ、バドミントンだけでなく、他種目の発展にも波及できる未来指向の方案を用意する契機にする計画」と付け加えた。
なお、調査団は文体部の体育局長が団長を務め、調査経験のある文体部職員とスポーツ倫理センター調査官など10人以上で構成されるという。
団長のイ・ジョンウ体育局長は「アン・セヨン選手だけでなく、選手たちは誰でも言いたいことが言える。選手の声に耳を傾けることが、文体部と体育団体が持つべき当然の姿勢」とし、「今回の調査の根本的な質問は、協会が選手のために本来の役割を果たしているかどうかだ」と述べた。
(記事提供=OSEN)
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