サッカー韓国代表キャプテンのFWソン・フンミン(31、トッテナム)が、中国代表サポーターの野次に対抗するジェスチャーを見せた。
韓国は6月11日、ソウルワールドカップ競技場で行われた北中米W杯アジア2次予選・グループC第6節で、中国に1-0で勝利した。
2次予選をユルゲン・クリンスマン前監督、ファン・ソンホン前暫定監督、そして今回のキム・ドフン暫定監督の3体制で戦った韓国は5勝1分の勝ち点16で首位通過という結果で2次予選を終えた。
また、3次予選の組み合わせ抽選では、FIFAランキングのアジア勢3番手として、日本、イランとともにポット1の座を確保することに成功した。
同日、約3000人が詰めかけた中国のサポーターは、キックオフ2時間前からゴール裏で応援を繰り広げた。併せて韓国の選手には激しい野次を浴びせていたが、なかでもソン・フンミンに対する野次は凄まじかった。
試合前の選手紹介では、ソン・フンミンが電光掲示板に表示されると中国サポーターは一斉にブーイングをした。なかには堂々と中指を立て、暴言を吐くサポーターの姿も見られた。試合が始まっても、ソン・フンミンがボールを持つたびに中国サポーターはブーイングを飛ばしていた。
そんななか、前半43分にソン・フンミン本人が中国サポーターの野次に対抗する光景が見られた。
当時、味方のスルーパスで中国DF陣の裏に抜け出したソン・フンミンは、ボールがゴールラインを割った際、ゴール裏の中国サポーターから大きなブーイングを浴びた。
直後、ソン・フンミンは中国サポーターのいるゴール裏を見てニヤリと笑うと、右手で「3」、左手で「0」を作る“3-0”のジェスチャーを見せつけ、自身へのブーイングに対抗した。
韓国は昨年11月、アウェイで中国に3-0で勝利を収めているが、ソン・フンミンは当時のスコアをジェスチャーで表現し、反撃に出たわけだ。
試合後、記者会見に出席したソン・フンミンは“3-0”ジェスチャーをした理由について、次のように説明している。
「自分は特に野次を飛ばされるような行動はしていない。ただ、自分たちのホームスタジアムで(アウェイサポーターが)そのような行動をすることが受け入れられなかった。あの行為は(韓国の)ファンの皆さんを無視していると感じた。韓国の選手として何かを見せたくて、“3-0”のジェスチャーをした」
「試合をしていると、ブーイングを受けることは日常茶飯事だ」というソン・フンミン。「ブーイングそのものが重要なのではない。選手として、相手のブーイングに萎縮することなく、上手く対処することが重要だ。自分自身、相手のブーイングにまったく興奮することなく、落ち着いて対応した」と振り返っていた。
◇ソン・フンミン プロフィール
1992年7月8日生まれ。韓国・江原道出身。身長183cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表キャプテン。小学校と中学校ではサッカー部に所属せず、韓国代表経験のある父ソン・ウンジョン氏から直接指導を受けていた。2010年にドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVでプロデビュー。その後、2013年に移籍したバイエル・レバークーゼンで2年連続二桁ゴールを披露し、2015年にプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーへと移籍。愛称は“Sonny(ソニー)”。
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