日本プロ女子ゴルフツアーの今季メジャー初戦「ワールドレディスサロンパスカップ」。本日迎える最終日を通算10アンダーで首位で挑むのは、大会初出場の韓国の21歳、イ・イェウォンだ。
韓国女子プロゴルフツアーの広報活動を全面的に担う「KLPGA広報モデル」にも選ばれている。韓国アパレル『CreaS F&C』のゴルフウェアブランド「パーリーゲイツ」のブランドモデルにも選ばれている人気者だ。
2003年2月生まれのイ・イェウォンは2021年にプロ転向し、2022年シーズンのKLPGA新人王に輝いた新進気鋭のゴルファーだった。
そんな彼女が大ブレイクしたのが2023年。2023年4月の「ロッテレンタカー女子オープン」でツアー初優勝を果たし、8月の「第1回斗山建設We'veチャンピオンシップ」、10月のメジャー大会「第23回ハイトジンロチャンピオンシップ」でも優勝し、1年間で3勝を収めた。
それだけではなく、その年に出場した28大会中27大会で予選を通過し、4度の準優勝含め13大会でトップ10入り。彼女が稼いだ賞金総額14億2481万7530ウォン(日本円=約1億4248万円)は歴代の1シーズン賞金総額3位にあたる数字だった。
賞金女王だけでなく、大賞(年間MVP)ポイントでも651点を獲得し、栄光の大賞受賞者に名を連ねた。また、70.7065打で平均ストローク1位も占め、トリプルクラウンを達成した。
そんなイ・イェウォンが2024年に掲げていたひとつの目標が海外進出だった。2024年2月、イ・イェウォンは本紙『スポーツソウル』とのインタビューでこう語っていた。
「今年は多くの大会に出場することが目標。米国女子ツアーを含む海外ツアーにも積極的に出場して経験を積みたい」
その言葉を有言実行するかのように、日本ツアーに初出場していきなりメジャー大会優勝に王手をかけたイ・イェウォン。彼女は一体どんな夢を持っているだろうか。前出した今年2月のインタビューをここに再録する。
彼女は「ツアー活動を終えた後は、ゴルフでストレスを受けない楽な生活をしているのではないか」と笑い、「正直言って、ゴルフ以外で何をして生きるかはまだわからない」と述べた。それだけゴルフが好きという意味だ。
「時々腹が立つこともあるけど、ゴルフは練習した分だけ結果が出る。厳しい過程を経て、自分の望むが出たときの快感は何事にも代えがたい。コースが違えば、同じコースでも天候によって攻略法が変わる。終わりのない学びの連続だから飽きることはない」
メディア露出の多い職業と会って、親友から羨ましがられることも多いという彼女は、「不思議だと話す友人たちに“サインしてあげようか?”と冗談を言う。本当のところはいつも遊んでいたいが、シーズン中は遊ぶことすら考えられない。A型だから頭のなかでは“適当に打ってみようか?”と思っても、フィールドに出た瞬間から慎重になる」と人知れぬ悩みも明かした。
それでも、“ゴルフ選手イ・イェウォン”が好きだという彼女は、「昨年はシーズン終了後も優勝の瞬間などを満喫した。今年もシーズンを上手く終えた後、自分が出た映像を検索し、振り返って見ることで自分にプレゼントしたい。そのためにはもっと一生懸命練習しなければならない」と微笑んだ。
まさに生まれながらのゴルフ選手。イ・イェウォンは日本でも優勝カップを手にできるだろうか。注目したい。
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