サッカー日本代表を率いる森保一監督が、前日会見の場で離脱の決まったMF伊東純也(30、スタッド・ランス)について言及した。
2月2日(日本時間)に行われたアジアカップ準々決勝イラン代表戦の前日記者会見には、日本代表から森保監督とMF守田英正(28、スポルティング)が出席した。
会見では、同日に日本サッカー協会(JFA)から途中離脱が発表された伊東に関する質問が複数寄せられた。
離脱の理由について「純也とは優勝を目指して、最後まで戦いたい思いはありました。ただ、協議をしたなかで本人の意思もあり、離脱という判断をJFAが判断をしたところを同意しました」と伝えた森保監督は、チームへの影響について「これまでの勝利に貢献してくれた選手なので、痛く残念な思いはありますが、本人の心身の健康を大切に考えたい」としつ、次のように述べた。
「誰かがいなくなったから機能しないというチーム作りはしていないですし、(チームには)素晴らしい選手たちがいます。明日のイラン戦を選手たちが思い切って戦うということについては、まったく心配はしていません」
また、途中では「伊東純也選手に関してメディアの皆さんにもお願いですが、疑惑ということで、彼を過剰に追い込むことは控えていただきたいと思います」と指揮官自ら切り出すと、「日本対イランという素晴らしい戦いのなかで、世界のトップ基準で戦える選手がいなくなるということは非常に残念に思います。彼がまたアジアの選手として、世界で戦えるプレーを見せてくれることを一緒に応援していただければと思います」と強調していた。
なお、日本対イランは2月3日20時30分(現地時間14時30分)よりエデュケーション・シティ・スタジアムで行われる。
以下、森保監督、守田との一問一答。
◇
―明日の試合の意気込みは。
森保監督「バーレーン戦から中2日でイラン戦に臨みますが、リカバリーと試合に向けての準備という部分では、これまでできることを選手たちが落ち着いてすべてやってくれると思いますので、明日の試合でも自信を持ってチャレンジしてくれる準備ができたと思っております」
守田「監督もおっしゃったように、中2日のタイトスケジュールのなかで厳しい試合にはなると思いますが、ここまでチームとしてしっかり準備してきたので、しっかり勝ち切りたいなと思っています」
―伊東純也選手が離脱するニュースを聞いたが、なぜ離脱するのか。また、(伊東離脱が)チームに与える影響は。
森保監督「伊東選手…純也とはできれば今大会、優勝を目指して最後まで戦いたい思いは持っておりました。ただ、協議をしたなかで本人の意思もあり、離脱という判断をJFAが判断をしたところを同意して、明日の試合には彼(伊東)は我々とともにできないということになりました。
チームへの影響ですが、もちろんこれまでの勝利、戦いに貢献してくれた選手なので、痛く残念な思いはありますが、本人の心身の健康を大切に考えたいと思っています。
また、誰かがいなくなったから機能しないというチーム作りはしていないですし、(チームには)素晴らしい選手たちがいますので、明日のイラン戦を選手たちが思い切って戦うということについては、まったく心配はしておりません」
―中2日という話があったが、このような厳しい状況だからこそ、日本の選手層の厚さが発揮できるはずだ。コンディションを考えてになると思うが、明日はどのような布陣、選手起用を考えているのか。
森保監督「中2日ということで、体力的に非常に厳しい戦いになるということはありますが、大会で決められたレギュレーションのなかで、プロフェッショナルとしてルールのなかでベストな準備をすることが大切だと思います。
そこに関しては、選手たちがこの2日間で前向きに準備をして、明日の試合に今持っているベストをぶつけるという部分では、レギュレーションのなかで戦うことを考えています。
ただ、イランも中2日で戦う同じ条件ということで、アジアのトップクラスの戦いのなかでもう少しリカバーの時間があって、より多くの戦いをできれば最高だと思います。
両者が明日持てる力を出し合ってタフな試合になると思いますが、選手たちにはこれまで通り勝利を目指して戦うということを実践してほしいなと思います。明日の試合のメンバーについては、すみません。明日のメンバー発表で確認していただければと思います」
―日本は今大会で優勝の最有力候補に挙げられているが、今でもそう思っているか。また、伊東選手の精神的な状態はどうなのか、彼とは話をしたのか。
森保監督「ここにおられるメディアの方々も含めて、このアジアカップの優勝候補として日本やイランが挙げられているというのは認識しています。我々も優勝候補のチームだと思っていますし、優勝を掴み取るためにアジアカップに臨んでいるということは言えるかなと思います。
ただ、これまでのグループステージ3試合、ベスト16の戦いでアジアのレベルが非常に上がっていることを感じていますし、本命と言われる国だけではなく、優勝を狙える国はまだまだ多くいると実感しています。
伊東純也の件に関しては、本人とも話をしております。健康ということに関しては話はできている状態ですが、サッカーをハイインテンシティのなかで戦うというメンタルではないかなと思っております。そこに関しては最大限にサポートしていきたいと思いますし、彼が少しでも早くトップのパフォーマンスができるように見守っていきたいと思います。
そして、伊東純也選手に関してメディアの皆さんにもお願いですが、疑惑ということで、彼を過剰に追い込むことは控えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
彼はアジアの本当に素晴らしい選手というなかで、今回プレーできないということはアジアサッカーの発展にも響くことだと思いますし、明日の日本対イランという素晴らしい戦いのなかで、世界のトップ基準で戦える選手がいなくなるということは非常に残念に思います。彼がまたアジアの選手として、世界で戦えるプレーを見せてくれることを一緒に応援していただければと思います」
―前回のバーレーン戦は、チームとしてトップパフォーマンスを発揮できた良い試合だったと思うか。また、このトーナメントを通して良くなっている感触はあるか。
守田「グループステージでなかなか難しい3試合を戦って、バーレーン戦も難しい展開になりましたが、3点目をしっかり決めきる部分であったり、クリーンシートで終える試合というのが今のところないので、そういう面でいうと完璧ではないかなと自負しています。
ただ、試合を通して一つ一つ出ている課題や問題に対してチームとして取り組めている最中ですし、試合を重ねるにつれてチームとして本来のパフォーマンスを出せるレベルには来ていると思うので、明日の試合も楽しみしていただければと思います」
―日本は無失点の試合がないが、イランも無失点は1試合しかない。(イランは)明日の試合で重要なストライカー(FWメフディ・タレミ)が出場停止だが、それに対しどう攻略するか。また、イランにはほかにも優れたストライカーがいるが彼らに対してはどう思うか。
森保監督「我々も無失点に抑えて勝利を掴み取りたいと思っているなかで、なかなかできていないことに関しては改善をしなければならない部分はあると思っています。
それとともに、クリーンシートができない理由としては相手の力があるということ。我々としても相手としても“得点して勝ちたい”と思い、色々な分析がなされるなかで、失点があるということは拮抗した戦いではあり得ることだと思っています。
そして、明日はタレミ選手が出場停止ということで、イランの大きな戦力となっている彼が出場停止ということは、もちろん把握しております。ただし、彼がいなくてもアズムン選手を始め、イランには非常に破壊力のある良い選手がいると思いますので、我々としては最大限に集中力を持って守備をしなければならないと思っています。
特にタレミ選手がいないからという対策はありません。我々ができれば無失点に抑えられるように、ピンチを少しでも減らせるように準備したいと思います」
(構成=姜 亨起/ピッチコミュニケーションズ)
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