あまりに人気が高くても問題だ。FA最大の注目株・大谷翔平(29)の「水面下での歩み」に現地からも批判の声が飛び出している。一体なぜなのか。
アメリカメディア『ジ・アスレチック』のケン・ローゼンタール記者は12月7日(日本時間)、「メジャーリーグのウィンターミーティングは取引の場だ。騒がしくなければならない。大谷翔平の去就がとても退屈だ。業界全体が止まった。面白くない」と批判した。
大谷はオフシーズン最高の話題だ。多くの球団がよだれを垂らして見つめている。5億ドルを超え、6億ドルの話まで出ている。ファンの注目度も点を貫く勢いだ。
問題は「静かすぎる」という点だ。「あの球団が大谷を望んでいる」というニュースは続々と出てくる。「長く続けるつもりはない」という話もある。ただ、そこまでしか情報が出てこない。
初めてメジャーに進出したときと比較するとまったく異なる。
当時、大谷の獲得競争には全30球団が参戦したと言っても過言ではない。大谷は球団のプレゼンテーションを受け、最終的にロサンゼルス・エンゼルスを選んだ。
その後、メジャーを支配する選手となった。二刀流として最高のスターになった。史上初の「満場一致MVP2回」という大記録も打ち立てた。
投手で15勝、打者で40本塁打を同時にこなせる選手だ。何より、1994年生まれの29歳とまだ年齢も若い。
このレベルの選手となれば、市場全体が騒がしくなっても何らおかしくはない。ただ、あまりにも静かすぎる。ウィンターミーティングで何か同行がつかめるかに思えたが、大谷側が静かなのだからもう片方も動けるはずがない。
最も盛り上がったのはアレックス・バードゥーゴ(27)のトレードだ。ボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースというから“宿命のライバル”が断行したトレードという点が目を引いた。
ただ、バードゥーゴが優れた選手であることは理解できるが、メジャーを代表するスターではない。
このような状況で、ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が「大谷と会って話をした」と明らかにした。“爆弾発言”だという。大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏は、交渉過程を外部に公表しないよう緘口令を敷いている。
しかし、『ジ・アスレチック』は「ファンは状況がどのように動いているのか知りたがっている。ロバーツ監督の発言が問題になるとは思わない。ロバーツ監督が悪いことをしたとすれば、ドジャースが最新の関心を傾けているという点を公に明らかにしただけだ」と強調した。
続けて、「大谷とドジャースが会ったからと言って、ほかの球団にチャンスはないのか。ロバーツ監督の発言によって、大谷がドジャースを排除するのだろうか。賑やかでなければならないウィンターミーティングで全員が口を閉じるならば、それが問題だ」と付け加えた。
過度な批判かもしれない。ただ、大谷一人によってすべての市場が凍り付いているのは事実だ。それでも、水面下で動いているのも確かだ。あまりに静まりすぎて、大衆の間で噂話だけが飛び交っている。
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