「なぜ使う?」韓国代表で最も多くの批判を受けた“皇太子”ファン・インボム…存在価値を証明

サッカー韓国代表で最も多くの批判を受けていた選手といえるファン・インボム(23、バンクーバー・ホワイトキャップス)が、韓国の優勝を導いた。

韓国代表MFのファン・インボムは12月18日、釜山アシアド主競技場で行われた日本との東アジアサッカー連盟(EAFF)E-1サッカー選手権・最終戦で前半27分に先制ゴールを決め、韓国の1-0の勝利を導いた。

ファン・インボムの活躍によって韓国は大会無失点・全勝を記録し、2015、2017年に続いて3大会連続のチャンピオンとなった。

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ファン・インボムは日韓戦の勝利の立役者だった。4-1-4-1フォーメーションの攻撃的MFとして出場したファン・インボムは、攻守をつなぐ役割を果たし、韓国の攻撃を導いた。正確で絶妙なパスは、パウロ・ベント監督が追求するビルドアップサッカーの重要なポイントとなった。

またファン・インボムは2列目から積極的に相手にプレッシャーを与え、日本を圧倒する韓国を支えた。旺盛な活動量と勤勉なプレーは、見えないところでも光った。

最大の見どころは、勝負を決めた先制ゴールだった。前半27分、左サイドを突破したキム・ジンスからパスを受けたファン・インボムは、フェイントでDFを交わすと、速いテンポの強力な左足シュートでゴールネットを揺らした。日本のGK中村航輔が体を投げ出して防ごうとしたが、シュートがあまりに速く正確だったため、ボールに触れることはできなかった。

E-1サッカー選手権の日本戦でゴールを決めたファン・インボム

試合の主導権を握りながらもチャンスを生かせなかった韓国だが、ファン・インボムのゴールを起点に余裕を持って試合を進めることができるようになった。

ファン・インボムは香港戦でも絶妙なFKでゴールしたことに続き、6試合ぶりとなる韓国代表のフィールドゴールを記録する見事な活躍をした。

最も非難されるポジション

ファン・インボムはポジションの特性上、最も多くの批判や非難を受ける選手だ。ベント監督体制で攻撃的MFは、最も重要な任務を担当する。正確なパスで攻撃の起点がなければならず、アシストあるいはゴールまで記録しなければならない。

ところが攻撃的MFは、守備的MFに比べてミスをする確率が高い。守備的MFは相手のプレッシャーから比較的自由に前を向いてプレーすることができる。一方の攻撃的MFは、相手のプレスを背負いながらボールに触れるケースが多い。特に相手がスペースを絞って守備的に試合を進めると、自然とパスミスやボールを奪われるミスが増える。

ファン・インボムが過去の試合で不振な姿を見せて批判を受けたことも、過度な非難が集中したといえる側面がある。誰が担っても難しいポジションであるため、ファン・インボムとしては悔しいと感じることもできる状況だった。

そんな動揺してもおかしくない立場でファン・インボムは、ベント監督に寵愛される“皇太子”としての役割を黙々と遂行した。

ファン・インボムは2018年ジャカルタ・アジア大会で金メダルを獲得した後にAマッチデビューし、過去1年3カ月余り韓国代表の中核になっている。長い期間ではないが、すでにAマッチ23試合に出場するほど、ベント監督から信頼されている。

数カ月前の記者会見でベント監督は、「ファン・インボムをよく使う理由は?」という質問を受けたことがある。

当時、ベント監督は「ファン・インボムをずっと招集する理由、長所は明確だ。ファン・インボムは万能型MFで、すべての力量を備えている。試合で発生する可能性があるすべての瞬間に、対応する方法を理解している。戦術的な変化を与えるとき、他のポジションに起用しても問題ない選手」と絶賛した。

そして最終的にファン・インボムはE-1サッカー選手権を通じて、ベント監督が自分をなぜ重用するかを自ら証明した。

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