U-20ワールドカップで印象的な活躍を披露した“韓国の10番”が欧州の舞台に挑戦する。
Kリーグ1(1部)の大田(テジョン)ハナシチズンに所属するプロ2年目のU-20韓国代表MFペ・ジュノ(20)が、イングランド2部EFLチャンピオンシップのストーク・シティに移籍する。
契約手続きを終えるため、8月28日午前に仁川(インチョン)国際空港から英ロンドンへと出国したペ・ジュノは、いよいよ本格的な欧州生活をスタートさせる。
ペ・ジュノにとって大きな変化だ。
2003年8月生まれで20歳になったばかりのペ・ジュノは、わずか1年7カ月前まで高校生の身分だった。
2022年に大田に入団し、プロ生活をスタートさせてまだ1年6カ月程度であるにもかかわらず、イングランドの舞台でプレーをすることになった。本人でさえも想像していなかった“ハイスピード跳躍”だ。
ペ・ジュノが本格的に欧州進出を夢見るようになったのは、今年5~6月に行われたU-20ワールドカップでの活躍からだ。
当時、U-20韓国代表の10番を背負ったペ・ジュノはエースとして活躍し、チームのベスト4進出に大きく貢献した。
当時、開催国アルゼンチン現地では欧州の複数スカウトがペ・ジュノに積極的に関心を示し、直後からペ・ジュノの名が欧州でも知られるようになった。
「W杯以降、海外進出に関する話をたくさん聞いた。それでも、自分一人焦ることはなかった。例え今夏でなくても、良い機会は後にも来ると思って落ち着いて待っていた」というペ・ジュノ。
「2部リーグではあるが、ずっと夢見てきた舞台に行くことになった。いつも欧州でプレーをする想像をしながらサッカーをしてきた。夢が叶った気持ちだが、これからが始まりだと思う。これからが大事だ。まだ自分に“欧州組”という肩書きは早い。謙虚に自分がやるべきことをやる。浮かれることなく平常心を保ちながら、上手く適応しなければならない」と答えた。
ペ・ジュノの実力には疑いの余地がない。韓国国内のサッカー専門家はもちろん、イングランド現地でもペ・ジュノの成功を楽観している。
カギは適応だ。環境や言語、食事などあらゆる点で不慣れな背景から新しく始まるだけに、早い適応力を備えることが重要だ。
ペ・ジュノ自身、「まずは英語の勉強を頑張らなければならない。今はほとんど話せないので努力が必要だ。車の運転も学ばなければならない。幸い、食事は選り好みする方ではない。何でもよく食べるタイプなので、食事について心配はない」と話す。
ペ・ジュノは“無”から“有”を想像するファンタジースターだ。卓越した個人技と創造的なプレーが逸品だ。イングランドの舞台でも武器にしなければならない強みである。
「技術には自信がある。自分の得意なプレーを活かして、ストーク・シティでも存在感を見せたい」というペ・ジュノは、「まだフィジカルや体力面は足りない。欧州でもっと上手くやるためには補完が必要だ。これからもっと成長しなければならない」と考えを明かした。
現在、イングランド・プレミアリーグではFWソン・フンミン(31、トッテナム)やFWファン・ヒチャン(27、ウォルヴァーハンプトン)など韓国サッカーを代表する攻撃陣が活躍している。
ペ・ジュノは「素晴らしい方々なのに、実際に見たことがない」とし、「機会があれば試合を観に行きたい。まずはストーク・シティに適応して上手くやることが重要だが、いつかはプレミアリーグという夢の舞台でプレーしたい。夢を叶えるために努力する」と抱負を語った。
また、「韓国代表でもプレーしたい考えがある。ソン・フンミン選手やイ・ガンイン選手のような先輩たちとプレーしたらどんな気分になるのかが気になる。特にイ・ガンイン選手の技術を横から見て学びたい。とても上手で好きな選手だ。その夢を叶えるためにもっと努力する。まだ自分のことを知らない方も多いだろうが、すぐに名前を知らせられるよう最善を尽くす」と伝えた。
何より、ペ・ジュノは自身の欧州進出を後押しした大田にも感謝の意を表した。
大田はペ・ジュノの未来のため、彼のイングランド移籍に同意した。フロントだけでなく、親会社のハナ金融グループのハム・ヨンジュ会長も、ペ・ジュノの移籍を積極的に促したという。チームを率いるイ・ミンソン監督も、主力遺跡と言う損害を甘受して弟子の将来を切り開いた。
「大田で本当にたくさん愛された。(大田での)最後の試合の後、ファンの方々が応援してくれて涙が出た。本当に感謝をお伝えしたい」と明かしたペ・ジュノ。
「監督が良い話をたくさんしてくれた。監督のおかげでプロとして成長できたし、こうして欧州にも行けることができたと思う。簡単に決められることではなかったはずなのに、監督はただ僕の未来のためだけに移籍を許してくれた。イングランドに発つことになるが、ずっと大田と監督を応援したい」と、大田への並々ならぬ感謝と愛を伝えた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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