改善の兆し見えない韓国プロ野球の“FA問題”…選手協会は公取委にKBO提訴を計画

ゴールのないマラソンのようだ。

2018年9月からさまざまな改善案が出されながら、何も変わっていない。来冬も現状のFA(フリーエージェント)制度が維持される可能性が高い。

韓国プロ野球において、ベテランFA選手の移籍は前所属チーム以外、ほぼ不可能なものとなっている。

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韓国プロ野球選手協会と韓国野球委員会(KBO)実行委員会が、終わりの見えない話し合いを続けている。11月21日の第8回実行委員会でFA等級制修正案が出されたものの、選手協会側がこれを受諾しなかった。

等級制論争の中心にあるB等級選手らの保護範囲を、実行委員会側は25人、選手協会側は27人と主張しているのだ。加えて選手協会は、実行委員会のサラリーキャップ制度に対しても「最も重要なサラリーキャップ規模が明示されていない」とし、拒否の意思を明らかにしている。

(写真提供=KBO)11月21日に行われた第8回実行委員会の様子

選手協会は来る12月、公正取引委員会にKBOを提訴する計画を立てている。

だが、結局のところ足踏み状態だ。選手協会は昨年も公正取引委員会にFA制度関連でKBOを提訴したものの、最終的に取り下げている。

今年5月、日本でも活躍したイ・デホ選手会長とKBOのチョン・ウチャン総裁が食事の席を設け、FA制度の改善を約束したことで提訴を取り下げたというのが選手協会側の主張だ。当時、2人は最低年俸引き上げについても同様に承認したとされている。

しかしKBOの制度改善は、総裁と選手会長の同意のみではなされないのが現実だ。

繰り広げられる無意味な消耗戦

オーナー会議である実行委員会はじめ、選手協会や代表理事の集まりである理事会でも承諾を得なければならない。この過程において、いつも無意味な消耗戦が繰り返されているのだ。

昨年9月、実行委員会がFA契約規模の上限(4年80億ウォン=約8億円)を提案したが、選手協会がこれを即座に拒否した。今年に入って選手協会は提案を受け入れる意思を表したが、実行委員会がサラリーキャップを持ち出したことで議論は白紙に戻った。

この調子では、これからも双方納得できる合意に至る確率はとても低いだろう。選手協会が実行委員会に参加しない以上、制度改善はいつまで経っても持ち越され続けるだけだ。

実行委員会の立場に一理あるのも事実だ。人気低迷によって球団が受けるサポートが縮小している状況で、むやみに変化を与えるのは負担にしかならない。FA制度改善によってベテランFA選手の契約金が上がれば、球団の負担がさらに増えるという主張を実行委員会はしている。

変革によってリスクを背負うよりも、今の制度で抑制することがリスク管理としては有利だろう。

ある球団オーナーは、「これまで実行委員会は、特定の球団が主導する形式でいつも動いてきた。ある球団が必要とすればドラフト制度が変わり、また別の球団がFA選手の契約金が負担だと主張すれば、上限制を実施するとの意見を出してきた。選手協会の意思はそもそも反映されていないのだ」と打ち明けた。

公正取引委員会の法的判断によって、FA制度を含むKBO規定が決まると見られるが、法廷争いの可能性も排除できない。

過去、公正取引委員会の判断によって決定したエージェント制度は、4~5年もの時間を要したことがある。FA制度の問題解決も、同様にまだまだ時間がかかるのだろう。

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