韓国女子バレー界で再燃した“いじめ暴露問題”が長期化の様相を呈している。
元女子バレー韓国代表セッターのイ・ダヨン(26)は8月18日、自身のSNSに「今日メディアに掲載された“イ・ジェヨン選手インタビュー記事第2弾”が、公開から約15分で不明な理由で削除されました」と綴り、「記事内で言及された内容の証拠写真も添付しました。今後、証拠をさらに公開します」と付け加えた。
イ・ダヨンが公開したのは、彼女が過去に元韓国代表キム・ヨンギョン(35、興国生命ピンクスパイダーズ)に送付したとみられる長文メッセージのキャプチャ画像だ。
そこで、イ・ダヨンは「毎日練習する度に怖かったですし、びくびくしていました。オンニ(姉さん)が無視して嫌っていることは試合をするときも練習するときも皆知っているのに、とても大変です。いつもオンニが気になるほど嫌がる行動ばかりしているから、そうしているのは知っています。もっと気をつけます」と綴っていた。
これに対し、キム・ヨンギョンとみられる相手は「私がそうして大変で怖くても我慢して。私もあなたが嫌いで、不便でも我慢しているから」と返していた。
また、イ・ダヨンが掲載した双子の姉イ・ジェヨン(26)のインタビュー記事にも、暴露を予告するような内容が含まれて目を引いた。
イ・ジェヨンはインタビュー内で、「理由はあまりにもよく知っているが、今は口をつぐみたい。興国生命でその選手と一緒に過ごした期間に起こった出来事に関するすべての資料を持っている。いつかはそれがすべて公開されるだろう。世の中に秘密はない」と述べた。
なお、イ・ダヨンは興国生命に所属していた2021年2月、チームの宿舎で倒れたまま発見されたことがあった。
命に別状はなかったが、イ・ダヨンが自身のSNSで「いじめる人は楽しいかもしれないが、いじめられる人は死にたい」と投稿したことで、キム・ヨンギョンとの確執が浮上したのだ。
ただその後、イ・ダヨンとイ・ジェヨンの双子姉妹に学生時代のいじめ加害疑惑が浮上。被害者による暴露が続き、本人たちも直筆の謝罪文を掲載したことで、いじめ加害疑惑に対する議論が火が付くように広がった。
結局、2人は興国生命から無期限出場停止処分、韓国バレーボール協会から代表資格はく奪処分を言い渡され、韓国国内でのプレーが事実上不可能に。結局、ギリシャのPAOKテッサロニキに双子で加入し、海外で選手生活を続けることになった。
以降、ルーマニアのラピド・ブカレストでもプレーしたイ・ダヨンは、今季はフランスのボレロ・ル・カネに加入。PAOK時代に膝の負傷で帰国したイ・ジェヨンは、現在も韓国に滞在している。
◇イ・ジェヨン&イ・ダヨン プロフィール
1996年10月15日生まれ。韓国・全羅北道出身。身長180cm。韓国のプロバレーボール選手で、元韓国代表。ジェヨンが姉、ダヨンが妹の双子。実父は陸上競技(ハンマー投げ)韓国元代表のイ・ジュヒョン、実母はソウルオリンピック代表セッターのキム・ギョンフィというサラブレッド家系。2014年のプロデビューから2021年1月まで韓国国内で活躍していたが、学生時代のいじめ発覚で物議を醸し、無期限出場停止と代表資格はく奪処分を受けた。その後、妹ダヨンはPAOKテッサロニキ(ギリシャ)、ラピド・ブカレスト(ルーマニア)を経て2022-2023シーズンよりボレロ・ル・カネ(フランス)に在籍しているが、姉ジェヨンはPAOK時代の負傷により、現在も韓国に滞在している。
◇キム・ヨンギョン プロフィール
1988年2月26日生まれ。韓国・京畿道出身。身長192cm。興国生命ピンクスパイダーズ所属。小学4年生からバレーを始め、2005年に新人ドラフト1位で韓国Vリーグの興国生命ピンクスパイダーズに加入。その後、JTマーヴェラス(日本)、フェネルバフチェ(トルコ)、上海ブライトユーベスト(中国)、エジザージュバシュ(トルコ)を渡り歩き、2020-2021シーズンは興国生命に11年ぶりに復帰。以降、上海ブライトユーベストを経て2022年6月に興国生命に再復帰した。東京五輪ではキャプテンとして女子バレー韓国代表をベスト4に導き、2021年8月12日に代表引退を発表。2019年8月から個人YouTubeチャンネル『シッパンオンニ(食パンお姉さん)』を運営している。
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